はじめに
今回は、Canon RF800mm F11 IS STMを使って見た感想をまとめます。
こちらのレンズです。
※追記↓比較動画作りました。
よろしければこちらもご覧ください。
このレンズのメリット
主なメリットは下記。
・圧倒的に軽い
・単焦点なので絵が綺麗
・比較的安価で手に入る
この3つについて解説します。
圧倒的に軽い
一番のメリットは “軽い” 事です。
その重さは「約1.3kg」です。(詳細)
その気になれば、三脚や一脚無しの “手持ちで” 800mmの超望遠を撮影できます。
この軽さが超画期的なポイント。
他の超望遠レンズだと「軽くて2kg、平均的に3kg以上」します。(詳細2)
そして、重いので手持ちでは扱えず1脚や3脚のような追加機材が必要になります。
→ レンズで2~3kg+カメラの重み0.5~1kg+三脚の重み200~1㎏
→ だいたい5~7㎏ぐらいの装備になります。
正直、しんどいです。
この手持ちできるぐらいの “軽さ” が、一番すごいと思ったポイント。
機材の重さ = 撮影までのハードルの低さに直結します。
軽いので三脚は不要。
レンズの重み1.3+カメラの重み0.5~1kgの合計2kgぐらいの重さ。
重いですが… 慣れると両手で扱えます。
そして、手持ちでも満足に撮影できます。
どんなにいい機材でも、重ければ “撮りに行こう” という気持ちになれず、
使う機会が減り、防湿ケースの中で収納されたままになります。
実は昔、3kgぐらいの100~400mmレンズを借りていて、
3か月ぐらいの長い期間で、手軽に使える環境がありましたが…
重すぎて2~3回、撮影に行ったきり使わなくなりました。
旅行は手荷物が増えるし、遠足は重いし…
結構、気合やそれ専用の制約を受け入れないと使わなくなります。
(一般人には、三脚の時点でキツイ代物)
単焦点なので絵が綺麗
単焦点レンズは、ズームができません。
その分、余計なレンズや機構が入って無いので軽く、絵の写りが綺麗と言われてます。
ズームできるレンズは、中に細かいレンズがいっぱい入ってます。
↓詳しくはCanon公式の説明が分かりやすいです。
単焦点の場合、このズームに必要な構造が消えます。
なので通過するレンズの数が減り、絵的に綺麗になりやすいです。
綺麗と言われてますが…
たぶん、この違いは多くの人には分からない。
比較的安価で手に入る
超望遠は高いです。
フルサイズ対応の他製品だと…
普通に30万円ぐらい行きます。
そんな中、Canon RF800mm F11 IS STMは13~14万円で買えます。
この安さも魅力。
-200mmを犠牲にした、Canon RF600mm F11 IS STMなら9~10万円ぐらいになります。
カメラ自体は、高校時代から触っていたので歴は10年ぐらいになりますが…
記憶が正しければ、昔は超望遠は50万や100万の世界だった。
30万でちょっと安くなったと思った仲に10万円代の商品が登場。
となると… これは “比較的” 安いモノになります。
12~14万円ぐらいの、Canon再安値のフルサイズカメラの「EOS RP」を使えば…
30万円以内でフルサイズ環境が用意できます。
普通にすごい。(でも高い)
このレンズのデメリット
主なデメリットは下記。
・F11で暗い → 明るさ調整がISO操作になる
・デカいので色んな所に衝突する
・最短焦点距離が6mぐらいで遠い
・被写体を探すのにコツがいる
・フィルターもデカイ+値段が高い
この5つについて解説します。
F11で暗い → 明るさ調整がISO操作になる
まず、おさらい。
写真の明るさを決める要素は下記の4つです。
・シャッタースピード
・F値(ボケ具合+明るさ調整)
・ISO感度(光の感度、ただし上げると画質が劣化する)
・周囲の環境(晴れだと光が強い、曇りや雨だと暗い)
そして、このレンズは「F11」で固定です。
シャッタースピードは動物を取る場合、低くても1/160や1/200の1が限界。
動物などを撮る場合、動物自体が動くので…
三脚を使って固定しても、シャッタスピードの制約が入ります。
つまり、明るさを変えるには「環境選び」と「ISO感度」しかないです。
なので、なるべく晴れ~薄曇りの日で被写体に光が当たり、
背景などの周囲も明るい場所を狙うのがコツ。
↓のような青空背景だと、周囲も明るいのでISOを下げれます。
↓同じ場所、ほぼ同じ日照条件での撮影。(時間的には1~2分差ぐらい)
周囲が暗いと光が当たっていてもISO感度を上げる必要がでてきます。
同じぐらいの強さで、光が当たってても…
背景が暗いとその場が “暗い” という扱いになるようです。
野生動物相手に、背景などの環境は選べない事の方が多いのです。
なので、実際にできる事は、環境を意識した上で「ISO感度」を上げるになります。
→ 暗い場所だとISOを上げるしか手が無くなり画質が犠牲になります。
以上が、1つ目のデメリット。
ちなみにF11ですが、焦点距離が長いので…
ピンボケは生まれます。
デカいので色んな所に衝突する
このレンズ、“収納した状態” で30cmぐらいあります。
そして、根元にLock機能があります。
こちらを回して後ろに引っ張ると… 伸びます。
これが使用する時の状態です。
30+8~9cm。
この「およそ38cm」ぐらいがレンズの大きさになります。
デカイ。
デカいので… 色々な所にぶつかります。
当たり所が悪いと設定が勝手に変わる
そして、ぶつかりどころが悪いと勝手にレンズ左側の設定が変わる事があります。
※服などに擦れると気づかない間に変わります。
この設定ミスはなかなか気づきにくいのです。
そして、いつの間にか近くのモノにピントが合わなくなったり…
動画を撮って手振れ補正が切れてる事に後で気づいたりといったトラブルの原因になります。
ちなみに設定は上から…
【FULL/∞ 】
→ オートフォーカスでFULLは近く、∞は遠くにピントが合う。
【AF/MF】
→ AFで自動でピントが合う、MFで手動でピントを合わせる
【STABILIZER】
→ 手ぶれ補正の事。
→ ONで有効化、OFFで無効化
これが2つ目のデメリット。
最短焦点距離が6mぐらいで遠い
このレンズの最短焦点距離はおよそ5~6mぐらいです。
そこそこ遠いです。
↓このぐらいの距離は離れないとピントが合いません。
なので、近づけるモノでも “小さいモノ” は大きく写せません。
この最短焦点距離の遠さや把握、慣れがちょっと大変です。
これが3つ目のデメリット。
基本、屋外での撮影になります。
そこそこの豪邸でない限り…
家の中で撮影はできません。
被写体を探すのにコツがいる
超望遠はズームがとても強いです。
なので、ファインダーや液晶を見て、被写体を見つけるのはとても大変です。
そこで、まずファインダーを見て被写体を探すことを諦めます。
代わりに「ネジ穴」か「800の真ん中の “0” の数字」を使います。
ちなみに、Canonの 中央の “n” は文字の形、左側のハネの関係で
中央から微妙にズレてるので注意。
まず、片目で中央のネジ穴か800の0を見ます。
そして、その先に写したいモノがある状態を作ります。
これで、左右の位置が確定しました。
あとは、ファインダーを見ながらカメラを上下に振ると被写体を見つけれます。
これで、被写体を写せます。
以上が、被写体を探すコツの解説です。
そして、この操作に慣れるまでちょっと大変なのが4つ目のデメリット。
フィルターもデカイ+値段が高い
このレンズ、レンズ径がめちゃめちゃデカイです。
焦点距離が800mmのレンズだと、レンズ径が「95mm」です。
めちゃめちゃデカイです。
そして、値段がとても上がります。
プロテクトフィルターで6000~1万円ぐらい。
PLフィルターだと3万5千円ぐらい行きます。
シンプルに高い。
フィルターの関しては使わない方が画質が上がるという派閥もあります。
なので… 正直好みによる所があります。
このフィルター問題が5つ目のデメリットです。
PLフィルターは扱いが “難しい”
高いですが… 私はPLフィルター過激派なので揃えました。
そして使ってみて分かったことが… このレンズとPLフィルターの相性が良くない事です。
PLフィルターの効果はあります。
ちょっと片手で持って撮影したので手振れが酷く申し訳ないですが…
こんな感じで変化します。
ただ、PLフィルターは露光量を下げます。
これがF11固定の暗いレンズをさらに暗くさせます。
これが私が相性が良くないという点。
PLオンだと、2段~3段程度露光量が減ります。
シャッタスピードを上げても大丈夫な “止まったモノ” なら大丈夫ですが…
動物相手だと、シャッタースピードは変えれません。
なので、2~3倍のISO感度にする必要が出てきます。
(ISO 800の場合 → 1600~3200まで上がる)
=PLフィルターで、絵の写りは良くなるのですが、画質の劣化が激しいです。
私は野鳥相手には基本オフにしてます。
快晴な日にちょっとだけ回して、少しだけ入れるぐらいです。
(もしかしたら、要らなかったかもしれない)
あと、レンズがデカすぎて撮影しながら回せません。
右手でカメラ、左手でレンズの下や1脚を持つとPLフィルターを持つ手が足りません。
レンズの下を持ちながら回そうとしても…
レンズ径がデカすぎるので、難しいです。
なので、PLフィルター横の「▼」マークを目印に、先に回してON/OFFを設定してから
両手で持って撮影する形になります。
ちなみに横向き(横長画像)の撮影であれば…
▼が上に来た状態でPLフィルターが入った状態になります。
真横(無効化)はレンズに赤いマークがあるのでここで合わせれます。
これに関しては正直、無くても良かったかもしれない。
このブログまとめるまで
▼の向き逆と思ってました…👼
それぐらい見た目的に違いはない。
(普通のレンズだと回したら違いは目で見て分かるので
▼は気にしてませんでした)
使って見た感想
超望遠は凄い。
超望遠は、遠近法の歪みが減るのであらゆるものが綺麗に写ります。
野生生物以外の植物がきれいに映ります。
3DCG使いにとって、
この歪みが少ない資料は正しい形を把握するのに非常に助かります。
遠近法の歪みについてはこちらでまとめてます。
そして、このレンズは軽いです。
なので、ちょっと腰は重いですが…
定期的に公園に撮影しに行こうと思えます。
クセは凄いし、扱いは中~上級者向けですが…
扱えれば単焦点の綺麗さが強力で、重さ、価格など
全体的にバランスが良い商品と思いました。
+1万ぐらいしても良いので…
F値だけ5.6と11の2段階で良いので変えれる機能は欲しかったですが…
これは今後に期待です。
まとめ
今回はCanon RF800mm F11 IS STMを使って見た感想をまとめました。
・軽くて安価で手に入るバランスのいいフルサイズ対応の超望遠レンズ
・単焦点なので絵が綺麗
・明るさの操作がISOの操作しか選択肢が無くなるので暗い場所だと画質が下がる
・服に当たっていつの間にか手振れ補正が切れる事がある
・最小焦点距離が5~6mぐらいでちょっと遠い
・被写体を探すのにコツがいる
また、他にもカメラ関係の事をまとめてます。
ぜひ、こちらもご覧ください。
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