【水温1度】冬の支笏湖に潜った旅行記【アイスダイビング】

アウトドア
スポンサーリンク

はじめに

今回は、2月上旬の北海道 – 支笏湖に潜った時の事を書きます。

ダイビングの記録

ダイビングショップはOcean Daysさんにお世話になりました。
↓こちらのツアーです。

支笏湖アイスファンダイブ
国立公園1日4名限定 支笏湖アイスファンダイブ 12月~2月ごろから、水中のプランクトンもいなくなり透明度が上がり、水中はよりいっそう静けさを増していきます。 1月~2月に行っているアイスダイビングでは、氷が張った水中へご案内いたします。 氷の隙間から差し込む太陽は、水温 2 度の水中を温かく照らし出します。 料金&詳...

その時の様子は、こちらの動画でまとめました。

慣れない機材に苦労しながらセッティング。

エア消費は多めと伝えると… 200までエアを入れてもらえました。
(何も言わなければ160ぐらいでした)

潜る前は心配でしたが…
全体的な水深が浅いので、そこまで残圧消費は多く無かったです。

エアは合計50分ぐらい潜って「90」ぐらい残りました。

ビーチからエントリー

機材セット後、エントリーポイントに来ました。
ここから入水していきます。

足には、巻貝の殻が落ちてました。

潜ると、こんな感じの風景が広がってました。
綺麗ですが… 足元が一面水草で覆われてます。
自然を傷つけるので着底はできません。

そして、ここの水深が…「2m」ぐらいです。

なので、浮力コントロールが難しい浅瀬(水深2m)+着底不可の環境で
完璧な中性浮力を維持する必要がありました。

経験本数が少ない(17本目だった)私は…
この中性浮力の維持に必死でした。
景色や寒いとかを気にしてられませんでした。

あと、頭上は凍って無くて普通の水面でした。
「氷が張った所」以外は、アイスダイビングではなく普通の水面の寒冷地ダイブです。

ポイント「太古の森」へ

しばらく進むと、落ち葉がいっぱいある場所にきました。
ただ、水草があるのでここも着底は避けたいです。

さらに進むと、岩がいっぱいある場所に来ました。
岩の表面にうっすら藻みたいなのが生えてるので… ここも着底はNG。
ただ、深さが上がり(6mぐらい?)浮力を安定させやすくなってきました。

その先は砂地でした。
こちらも着底は難しそうです。(水深8mぐらい?)

そして、沢山の流木が落ちてる場所に来ました。
おそらくここが「太古の森」です。(水深12mぐらい)

木を揺らすと地面から泡が出てきました。(揺らしてるのはガイドさんです)
これは、地面が葉が腐ってできた腐葉土で、その発酵の際に出たガスが地中に溜まってるからです。

木を揺らし続けると、一気に視界が曇りました。
支笏湖の地面は、土などが巻き上がりやすいです。

濁ってしまったので、別の場所に移動。
今度はこちらの大きな木を揺らしてもらいました。

そして、太古の森の観察が終了。
次の場所に移動しました。

ポイント「氷が張った所」へ

氷が張った所へ移動しながら、水の中の様子を観察していきます。
流れ的には、エントリーポイントの方向に向かってます。
というのも「氷が張った所」はエントリーポイントの右側奥の桟橋付近にあるからです。

ここで温度を確認 → 水温1度でした。

かなり分かりにくいですが…
地面に小さな魚が居ました。(何かまでは不明、たぶんヌマチチブ?)

ガイドさんが岩をめくると、水生昆虫の何かのヤゴが出てきました。

他の場所にも、ヤゴがいました。
こちらは、たぶんコオニヤンマのヤゴです。

こうした生き物を観察していくと水中でと桟橋のようなモノが見えました。

たぶんここ、もしくはもう1つ奥の桟橋の近くです。
ここが… 支笏湖のアイスダイビングのポイントです。

頭上を見上げると氷がありました。
ただ、暖冬だったからか、だいぶ溶けてました。

ただ、水中アイスウォークみたいな遊びはできました。

これで、氷が張った場所の観察が終了。
桟橋を避けるように迂回して、入水した場所に戻り水面から出ました。

以上が、今回のダイビングの記録です。

行ってみて分かった事

なぜ経験本数が少なくても行けるのか

ダイビングショップ関係者じゃないので推測しかできませんが…

アイスダイビングの危険な要素は “頭上が覆われてる” という事です。
特に、流氷や分厚い氷がある所は決まった場所しか地上に出れず危険です。

しかし、支笏湖の水面は基本は凍って無いです。
なのでアイスダイビングの一番危険なポイント「頭上封鎖」が回避できてます。

そして、水面が凍ってる場所、アイスダイビングができるのは支笏湖のフチのほんの一部。
桟橋が近くにあるような、かなりの浅瀬で岸に近い場所です。

↓こちらのアイスウォークツアーで行ってる場所とたぶん同じです。

アイスウォーク
アイスウォーク 氷と遊ぶ。 北海道らしいアクティビティをしたいと思っている方、ぜひ体感してみてください。 遊び方は人の数だけ!! 氷を割って湖に飛び込んだり、雪に友達を埋めてみたり、氷に乗ってみたり、ただただ水の上に浮かんでみたり・・・ とにかく、自分達らしく、楽しむだけ。 服の上から濡れないウェットスーツを着るため、...

たぶん、支笏湖の氷を…
下から見るか、上から見るかという違いしか無いです。

なので、一時的に頭の上が氷で覆われた状態になりますが…
普通のアイスダイビングに比べると危険度はかなり低く、
本数制限が無かったのだと思います。

以上が、経験本数が少なくてもアイスダイビングにいける理由の推測です。

寒さはそこまで気にならない

水温は1℃ですが…
装備がちゃんとしていれば、そこまで寒くは無いです。

たぶん、北海道の地上の「早朝」と「朝」で気温 -10℃ の方が寒いです。
北海道に行く段階で、この寒さに慣れる事になります。

そして、この寒さに慣れてから水温1℃の湖に行くと…
別に寒さはそこまで気にならない、むしろちょっと温かいぐらいに感じました。

気温より水温の方が温かいですが…
水の方が熱伝導率が高く、冷えやすいです。

冬用のダイビング装備は、この冷えやすさ、放熱の速度を抑えてくれます。
なので、温かかったです。

個人的には30~50本目以降に来る事がおすすめ

支笏湖のダイビングは、寒さ以前の場所的な理由で、難しいです。
初心者は行けますが、楽しむ余裕はあまり無く、中級者向けだと感じました。

【支笏湖ダイビングの難しいポイント】

・着底不可の浅瀬でドライスーツだけを使った中性浮力の維持
・水は飲むと危険(エキノコックスの感染リスク)

この2つを、掘り下げていきます。

最大の壁は “中性浮力”

記録でも書きましたが、支笏湖の地面には大量の水草が生えてます。
なので着底はできません。

さらに、寒冷地なので寒いです。
この寒さ対策が「ドライスーツに空気を入れて空気の層を作る」になります。
なので、ドライスーツに最大の空気を入れるために、BCDは基本使わずドライスーツの中の空気だけで浮力調整する必要がでてきます。

ドライスーツに空気を入れる+空気を出すの2つの操作がスムーズに行えないと難しいです。

夏に行っても、水は雪解け水で水温は低いらしく
ドライスーツで同じような保温対策が必要になります。

そして、活動する場所はかなり水深が浅いです。
メインは水深2~3mの所。
水深が浅いと、空気の膨張+圧縮の変化が強くなります。
なので、中性浮力を維持するのが難しいです。

太古の森付近はやや深いですが… それでも最大水深は12mと浅め。

この、着底不可の浅瀬で “中性浮力” の維持が最も難しいポイントでした。

水深が浅いので「エア切れ」や「No Decoタイム(減圧状態)」などはほぼ気になりませんでした。

あと、水圧によるドライスーツの締め付けで発生する内出血も無かったです。

水深が浅いのでOWDライセンスという、一番最初のライセンスで行けますが…
難易度はかなり高いです。 初心者向けでは無かった印象でした。

支笏湖の水は飲むリスク

↓の写真は支笏湖の水が流れる千歳川ですが… 支笏湖の周りはこんな感じです。

鹿などの野生動物が居ます。

そして… 「キツネ」の足跡もあります。
そうです。 水辺に野生のキツネです。

これだけで…
分かる人には、結構な怖い場所だと伝わると思います。

キツネにはエキノコックスという寄生虫が居ます。
基本はネズミ → キツネの間を行き来する寄生虫ですが…
卵が何らかの形で口に入ると、人間に感染するリスクが出てきます。

エキノコックス症について - 保健福祉部感染症対策局感染症対策課
エキノコックスってなぁに? エキノコックスは寄生虫の1種です。単包性と多包性の2種類があり、北海道のものは、多包性...

そして、このエキノコックスの卵は狐の糞などを経由して、湖にある可能性があります。
なので、支笏湖の水を少しでも飲むとエキノコックスに感染するリスクがあるので注意。

「北海道のアウトドアで生水を飲むことはどのくらいのリスクなのか?」をエキノコックスの面から考えてみた
 夏山シーズンを迎えて、野山に出かける機会が多くなる。大自然のなか、岩の間から湧き出る冷たい水で喉を潤す。そんなアウトドアの醍醐味と言われそうな喜びも、北海道では避けるべきだと言われている。「エキノコ

ただ↑の記事によると… 人間は間違った寄生先なので何かしらの抵抗力で成長できないケースも多いのでは?と言われてると書かれてます。

528万人が暮らす北海道で、年25人しかかからないモノのようです。

もっとヤバいモノなら…
ガイドさんに、事前にダイビングで水を飲まないように強く説明されたり…

そもそもアイスウォークのような、ドライスーツだけで湖に飛び込むみたいなレジャーは成立してないと思います。

特に、水を飲む危険性を強調するような説明は受けなかったので…
必要以上に恐れる必要があるモノでは無いと考えられます。

ただ、感染の可能性が0%ではないので…
可能であれば水は飲まない方が良いです。

そして、できれば水を1回も飲まないダイビングができる位の熟練度になってから来た方が良いです。
以上が、個人的には30~50本目以降に来る事がおすすめな理由の説明です。

その他の細かな注意点

暖冬だと氷が解けてるので早めに行く

2024年の2月上旬に行きました。
暖冬だったらしく、氷がとけてました。

綺麗な “氷の面” みたいな感じの氷は見れませんでした。

2024年は暖冬がひどく、近くで行われていた「氷濤まつり」も2月中旬には氷が解けて中止になりました。

千歳・支笏湖氷濤まつり〜氷の美術館〜2025年開催日決定!|イベント|【公式】北海道の観光・旅行情報サイト HOKKAIDO LOVE!
「千歳・支笏湖氷濤まつり」は、厳寒の支笏湖の風土を活かした氷の祭典です。日本有数の透明度を誇る支笏湖の湖水をスプリンクラーで骨組みに吹きかけ、大小さまざまな氷のオブジェを創りあげます。昼はナチュラルブルーに輝き、夜は色とりどりのライトに照…

このような、氷が解けるリスクを考えると冬の早い時期、12~1月ぐらいに行くのが良いと思います。

早すぎると凍って無い可能性もあります。

ミトングローブはハンドサインが使えない

私がレンタルで渡されたグローブはこんな感じのミトン状でした。
見て分かると思いますが… 中指~小指が必要なハンドサインが使えません。

なので、残圧を聞かれた時に、手で140と数字を示しましたが…
手を横に振られて、残圧系を見せてと2回ぐらい示された後でようやく気付きました。

中指~小指までが繋がってるので… 
指を使って1~9形を作って数字を伝えるなどができません。

頭で分かってましたが…
咄嗟に出る、いつもの癖って怖いです。

ドライスーツに慣れてから来る事

私が行ったショップは「ドライスーツ4本以上の経験者」 or 「ドライスーツSP保有者」以外の方は
ドライスーツの講習が必要でした。(別料金)

//ーーーー

そして、私は経験本数が2回だったので、ドライスーツSPを受けに行きました。
4本以上+ドライスーツSP持ちになら何とかなるかと思いましたが…
ドライスーツSPを持っていたからと言ってドライスーツに慣れれるわけでは無いです。

//ーーーー

個人的には、経験本数を4以上、できれば10本ぐらいにするか
行くならドライスーツSPではなく、中性浮力SPを取りに行って、
水深2~3mの所でドライスーツ内の空気だけで中性浮力を保つ練習をした方が良かったと思いました。

中性浮力SP = ピーク・パフォーマンス・ボイヤンシーSP。
受けてないので何をやるか分かりませんが… 

ドライスーツSPは受けても、ただドライスーツを着て潜るだけでした。
なので、ドライスーツSPをやめて、その浮いた講習料で
普通に経験本数を+2本した方が良かったかもです。

(とはいえ、初手ドライスーツ体験ツアーに行ったから、その辺りの講習内容をやったという可能性もありますが…)

ハウジングは保温のためにつける

私が行った支笏湖ダイビングはあまり水深は出ませんでした。
行っても最大12~14mぐらいです。

TG-6/7の利用者なら、通常の防水(水深 15mまで)で行けると思います。
が… ハウジングは「保温のために」付けた方が良いです。

というのも、バッテリー式の電子機器は寒いと一気に電池が減ります。
なので、ハウジング無しで使うと水につけるだけで一気に電池が飛びます。

支笏湖ダイビングではないですが…
七条大滝に行った際、水にハウジング無しのTG-6を付けた所、一気に電池が飛びました

そして、滝の中の映像が撮れませんでした。

なので、水深が浅くても、保温のためにハウジングを付ける事をおすすめします。
また、可能であれば予備バッテリーを用意し、常に満タンで行くことをおすすめします。

電池に関しては… 信頼性を買う意味で純正をおすすめします。
(とくに、水温1度の世界は過酷なので、互換品だとちょっと怖いです。)

他にも、レギュレーターが凍ったり、フリーフローしたりするリスクがあります。
そして、その対策としてガイドさんが「ポニーボトル」という予備の空気を持ってました。
(このあたりは、実際に行く方なら説明を受けれると思うので、この記事では省略します)

着ていった服について

最後に、ドライスーツの中に着ていった装備を紹介して、この記事を締めます。

上半身の装備

一番内側の、1層目にはユニクロのヒートテックを着ました。

家にあった普通のヒートテックです。
2~3年前に買ったモノです。

その上から、2層目にはこの白いインナーを着ました。
これはスーパーマーケットで買った謎の服です。

服の中は正面の内側だけ温かい生地が貼り付けられている加工がされてました。

背中側は特になしの普通の服です。
ブラインド名などが分からず、本当に謎の服です。

白いインナーの上から3層目。
こちらは、ワークマンで買った暖かそうなヤツです。

首元には「Heat Assist」と書かれてました。

内側にはこんな感じで暖かそうな加工がされてました。

多分コレです。
(ワークマン ファイバーレイヤー裏アルミクルーネック)

ワークマンオンラインストアブログ 裏アルミのインナー!?ファイバーレイヤー裏アルミクルーネック
ワークマンオンラインストア公式ブログ裏アルミのインナー!?ファイバーレイヤー裏アルミクルーネックのページです。

その上から、mont-bellのフリースを着ました。

内側にはCRAMEECEと書かれてました。
たぶん15年ぐらい着てるのでかなり古い型です。(洗濯物の表示が消えてます)

古すぎるので、完全に同じものは手に入らないと思いますが…
似たようなモノ、より良いCRAMEECEシリーズの服は買えると思います。

https://webshop.montbell.jp/goods/list.php?category=122000

この4層が上半身の装備です。
(これ以上着ると、ドライスーツの中に納まりませんでした)

下半身の装備

まず、普通のパンツをはいてます。
ユニクロで買ったトランクスタイプの下着です。

あえて、現物の写真を乗せる事は辞めておきます。

その上に、かなり分厚いタイツみたいなものを履きました。
こちらはワークマンで買った暖かそうなヤツです。

中はこんな感じで温かそうな加工がされてます。

腰の所にはQUILT LAYERと書かれてます。

たぶん、コレです。

その上から、またワークマンで買った暖かくて可動性が高そうなズボンを履きました。

こんな感じです。

中には「BAZZ HEAT」と書かれてました。

たぶん、コレです。

ワークマン バズヒートフライヤーパンツ M ホールブラック アウトドアに 旅行のお供に|Yahoo!フリマ(旧PayPayフリマ)
新品未使用タグ付きです。 バズヒートフライヤージャケット・ベストも出品中! ぜひ上下セットで! ☆セット購入ご希望の方は合計金額より200円OFFでお譲りいたします。専用ページをお作りいたしますので【商品への質問】からコメントください。上下サイズ違いも対応いたします。 BAZZ HEAT(バズヒート) 特殊機能中...

この2層+下着が下半身の装備です。

靴下

靴下は2枚重ねで履きました。
1層目が右下のグレー、2層目が黒色。

両方ともワークマンで買った一番温かいヤツです。
灰色の方は温かさ+ストレッチ性能も入ったモノを選び、動きにくさを軽減しようとしました。

以上が、靴下の装備です。

そして… 同じものは販売終了になってたりすると思うので…
結論としては、ワークマンに行って一番あたかそうな装備を買う。

これが良いと思います。

まとめ

今回は水温1度の支笏湖にダイビングしに行った時のことをまとめました。

・難易度はやや高く、中級者向け
・水温1度ですが、防寒着をちゃんと着れば寒さは気にならない
・一番の壁は着底不可の浅瀬でドライスーツだけを使って中性浮力を維持する事
・氷が張ってる場所はごく一部なので、経験本数の制限は無い
・ただ、ドライスーツと中性浮力に慣れてから行くのが理想
・服はワークマンで温かいモノを買いそろえればなんとかなる

また、他にもダイビング関係の事ををまとめてます。

ぜひ、こちらもご覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました