はじめに
今回はUniversal Audioの「Century tube channel strip」の使い方を紹介します。
これは真空管のアンプとEQが入った“OPTコンプレッサー” です。
特に何かの機材を再現したわけではなく…
使いやすいOPTコンプを目指した感じのプラグインになります。

Channel Strip = いろんなエフェクトが1つにまとまったツールの意味。
ただChannel Strip名乗るわりには機能が少なめなので…
簡易EQ付き、TubeアンプのOPTコンプレッサーという理解が一番しっくりくると思います。
そしてTubeとOPTの組み合わせと言えばLA-2Aですね。
このLA-2Aの再解釈版、今風に使いやすくした版と私は解釈しました。
(OPTコンプの特性もLA-2Aを意識してそうな気配があります)
↓こちらから購入できます。
LA-2Aとの比較。
Universal Audio
— しぐにゃも@音楽制作 (@sig_ic4) December 16, 2025
・LA-2A(白)
・Century tube channel stripのOPTコンプ
この2つの音比較 pic.twitter.com/XQ8U4WiFfE
LA-2Aの解説はこちら。

またコンプレッサーの知識があることを前提に進めます。
前提知識はこちらをご覧ください。
プラグインの起動(Abletonの画面)
例としてAbletonの画面を使います。
プラグインを探してトラックにドラッグ&ドロップ。

スパナマークを選択。

するとCentury tube channel stripが立ち上がります。

以上でプラグインの起動が完了です。
処理の流れと補足説明
このプラグインは左から右へ処理が入ります。
「真空管アンプ」 → 「EQ」 → 「OPTコンプ」 → 「出力音量」の流れです。

注意点は名前に「Tube(真空管)」と入ってますが…
真空管系コンプレッサー “ではない”ことです。

真空管は左側のプリアンプに入ってます。
コンプレッサーの処理形式は「OPT(光学式)」です。


・Tube(真空管) → 処理の揺らぎがあり、ザラっと温かみがある感じ
・OPT → ぼんやりと処理がかかる、自然な感じ
上手く使えばこの2つの性質を入れれます。
うーん LA-2Aを今風にアップデートしようとした感。
LELELとCOMPRESSIONの違い
LEVELはInput Gain、COMPRESSIONはThresholdに相当します。

↓この記事を見た方はわかると思いますが…
この2つは同じ意味ですね。
この2つの違いは「Tube(真空管)」特性が乗るか乗らないかになります。
・INPUTの方だと真空管的なザラつきが乗ります
・COMPRESSIONの方だとTUBEの特性はあまり乗りません

以上がLELELとCOMPRESSIONの違いです。
真空管アンプについて
左側の真空管アンプを見ていきます。
ここは別の見方をすると色付けInput Gainです。

GAINは音色調整です。
◆Low
→ 弱めの信号強化
→ クリーンな音
→ コンデンサーマイク、アクティブマイク、高出力な楽器など向け
→ まず最初に試すモード
◆High
→ 強めの信号強化
→ 色付け効果強め(クリーンさ減)
→ ダイナミックマイク、リボンマイク、低出力な楽器など向け
→ 変化を強めたいときに試すモード

この「GAIN」はマウス中ホイールでしか動かないので注意。


私の環境ではクリック → マウスをドラッグで動きませんでした。
左側のLEVELは歪みの有効度+OPTコンプのThreshold調整と思ってください。
全体の音量は右側の「OUTPUT」で調整します。

LEVELを操作。
音に歪みが生じるとOLのライトが点滅します。


このライトが点灯 → 色付け効果が入ってるという解釈でOK
次は真ん中の4つのボタンを見ていきます。

使いそうなモノは下記の2つ。
・Lowカットフィルター → 低音域のこもり具合を減らす
・PAD → 入力音量-20dB(デカい音を入れた時用)

その他、一部の人が使いそうなモノが下記。
・MIC/LINE → 入力してる音がマイクからならMICにする(入力対象調整(?))
・〇に/マーク → 位相反転(音の波形の上下が変わる、わかる人向け)

以上がアンプ解説です。
EQについて
次はEQ部分を見ていきます。

EQそのものの知識や基本動作はこちらをご覧ください。
EQは下記の3つの領域に対してかけれます。
画面下部で有効化して初めて動作します。

MIDにある「FREQ」が俗にいうQ値。
中音域は “どこ” かを指定する場所です。


HIGHは10kHz、LOWは110Hzで固定されてます。
右側のdBがその音域の音量を増減させる所です。

LOWのEQは下図のような挙動になります。

ここにHIGHのEQを入れると…
下図のような挙動になります。

MIDのEQは下図のような挙動です。
(Low/highは消しました)

FREQを動かすと変化が入る周波数の位置が変わります。

この3つの項目を操作すると、複雑なEQのカーブを作れます。

以上がEQの解説です。
OPTコンプレッサーについて
3番目のエフェクトがOPTコンプです。
・上部モニター → 影響度を確認
・COMPRESSION → Threshold(影響度調整)
・OUT - IN → 無効化/有効化
基本的にやることは「COMPRESSIONの操作」だけになります。

メーターは左に行くほど効果が入ってる様子を表します。

OUT(無効化)にすると左側に行くので注意。

以上がOPTコンプレッサーの解説です。
MASTERの解説
MASTERは出力音量です。
・上部モニター → 出力音量の表示
・OUTPUT → 出力音量の調整
・OFF/ON → 全体処理の無効化/有効化
基本的にやることは「OUTPUTの操作」だけになります。

右下は全体のON/OFFです。
OFFにすると全ての回路が止まるので注意。


Bypass、エフェクトが入る前の音が流れます。
また右下の「OFF/ON」は上部の「IN」と同期します。
= INの方でも同じ操作が行えます。

以上がMASTERの解説です。
その他の機能
画面左上の矢印でプリセットを前後。
文字の所でプリセット詳細が確認できます。
プリセット詳細にある「SAVE」を押すと今の値をプリセットとして保存できます。

A/Bは2つの状態を記録し比較する用の項目です。
COPY / PASETは選択されてるA/Bの状態を保存 → 転送できる項目です。

↓こんな感じで素早く2つの状態を比較したり、値を転送できたりします。


触って理解した方が早いシリーズ。
右上の「LEARN」はMIDI学習機能です。

↓このようなMIDIコントローラーがある人向け。
右上の「…」を押すと細かな設定画面が出てきます。
使うのは画面サイズ変更(n%)と書かれたモノぐらいです。

以上がUAD LA-2Aの使い方解説です。
まとめ
今回はUniversal Audioの「Century tube channel strip」の使い方を紹介しました。
・真空管アンプとEQとOPTコンプレッサーがセットになったエフェクト
・現代風に解釈されたLA-2Aと考えると理解しやすい
・LEVELを操作すると真空管的な色づきを入れながら疑似的にThresholdを操作できる
・COMPRESSIONを操作すると真空管的な特性が入らないままThresholdを操作できる
また、他にも音楽やDTMについて解説してます。
ぜひこちらもご覧ください。







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