GPLライセンスのソフトで作った創作物は著作権保護可能かについて

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はじめに

今回はGNU(GPL)ライセンスのについて、クリエイター的に重要な所だけ解説します。

GNUライセンスとGPLライセンスは呼び方が違うだけで同じものです。
GNU(GENERAL PUBLIC LICENSE)

GNUがライセンスの名前、GPLが説明の略称ですが一般的にGPLと呼ばれています。
初めから非常にややこしいこちらのライセンスについて見て行きます。

結論

GPLライセンスのツールで作った作品やデータはGPL適用外。
なので著作権保護してBOOTHなどのモデル販売が可能です。

ただし、プログラミングを販売する場合にGPLライセンスの文字列を改変や組み込みして使った場合はGPLライセンスを継承する必要があります。

ここから先はこの内容を証明する記事を引用して紹介します。

ライセンス文を読む前に

GNU(GPL)ライセンスを理解する上で知っておきたい2つ知識を紹介します。

・文章中では『著作物』は『作品(Work)』という言葉で表されている。
・ライセンスの翻訳物は公式にリンクされてる物でも有効とされない。
(翻訳=改変と扱われ、理解を助けるだけの物という扱いになる)

作品と言われるとクリエイター的には絵や3DCGと考えてしまいますが、そうではなく『プログラム』とそれを元にした著作物『プログラム』の事です。実行した結果のものについては対象になりません。

A “covered work” means either the unmodified Program or a work based on the Program.

GNU一般公衆ライセンス

(訳注: この規定により、本許諾書は著作権法で保護されたいわゆる「著作物」よりも広い範囲をカバーすることになる。よってこの訳のライセンス本文中においては、work(s) に「著作物」ではなく「作品」という訳語を宛てることにした。)

GNU 一般公衆利用許諾書(GNU GENERAL PUBLIC LICENSE)

「『保護された作品』」(covered work)とは、改変されていない『プログラム』か、『プログラム』を基にした作品のいずれかを指す。

GNU 一般公衆利用許諾書(GNU GENERAL PUBLIC LICENSE)

根拠(ソース)

GNU一般公衆ライセンスの公式ページ(英語)のTERMS AND CONDITIONSの中の2. Basic Permissions.にこのような一文があります。

The output from running a covered work is covered by this License only if the output, given its content, constitutes a covered work.

GNU一般公衆ライセンス

公式にリンクされている日本語翻訳ページで見るとこのようになります。

『保護された作品』を実行することから得られた出力結果は、その出力内容が『保護された作品』を構成する場合のみ本許諾書で保護される。

GNU 一般公衆利用許諾書(GNU GENERAL PUBLIC LICENSE)

綺麗に翻訳されないので、オープンソースライセンスの日本語参考訳のページで見ると、『複製、頒布、改変に関する条件と制約』の0.の中にこの一文になります

『プログラム』の出力結果は、その内容が『プログラム』を基 にした著作物を構成する場合のみこの契約書によって保護される(『プログラ ム』を実行したことによって作成されたということとは無関係である)。

GNU 一般公衆利用許諾契約書

実際どうなんだと疑問に思う所の()注釈が分かりやすくてありがたいですね…

前例

これだけでは心配になるので前例を紹介します。

日本ではシン・紫の人型ロボットのアニメ映画の制作でBlenderが使われたり(会社名でいうとカラーやQ)、海外の映画ではこのようなVFXツールとしていくつも作例があります。

これらの映画はオープンソースで誰でも見れる形で配布されてません=著作権保護が入ってます。
なので GPLライセンスのツールで作った作品やデータはGPL適用外 という前例になります。

ほかにもUnity+Blenderを使ったインディーゲームやVRChat向けのモデル販売など、幅広く事例があります。

GPLライセンスのコンセプト

GPLライセンスが保護しているものは“プログラミング自体”“何の制約を受けずだれでも自由に利用可能”という所です。

フリーソフトやツールの“それ自体”を保護するためのライセンスと思ってください。

まとめ

GPLライセンスはプログラミングを保護するライセンス。
GPLライセンスのツールで作った作品やデータはGPL適用外。
そしてその前例やソースを紹介しました。

これで制作の悩みが1つでも減りましたら幸いです。

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