はじめに
剣を描く上でこのようなお悩みを持ったことはありませんか?
・剣のデザインが描けない
・それっぽくならない
・なんか描いても微妙
・言葉に出来ないこれじゃ無い感
この問題の解決法とかっこいい剣のデザインの作り方について今回解説致します。
左右対称の剣は対称定規を使えば簡単に描けます。
clip Studio Paintでの対称定規の使い方は こちらをご覧ください。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/80d8fb2bb4dc431a3f245c8070ff043c.png)
思い込みの剣から抜け出す
思い込みの剣とはよくあるこのような剣です。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-1-17.jpg)
こちらから抜け出さない限り、どれだけ描画の細かさを上げても永遠にこれじゃ無い感から抜け出せません。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-2-16.jpg)
この形から抜け出すためには剣の分類や形の由来を理解してデザインする必要があります。
剣の分類
大まかに分けると剣は3つに分類出来ます。
・打撃型
・切断型
・刺突型
この3つについて解説します。
打撃型の剣
打撃型の特徴
・平たい板をそのまま使ったのような形(大きさと重さをで叩き切る)
・曲線の刃の形(接触面を減らして力を集中させ切断の威力を上げる)
・剣先の膨らんだ形(剣先のに重量を持たせる事で威力を上げます。)
特徴を意識してデザインした剣の作例。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-12-12.jpg)
打撃型の紹介
刀身に重心を置き、重量で打撃を与えたり叩き切ったりする剣。
現実では山刀や鉈のような障害物を取り除く刃物。
特徴は大きさや重さを感じる平たい板のような重そうな形。
また叩き切るという点では刃の部分を曲線にして接触面を減らして威力を上げたり、
刃先が重たくする先端のでっぱりなどを作るといい感じになります。
切断型の剣
切断型の特徴
・曲線の刃の形(接触面を減らして力を集中させ切断の威力を上げる)
・剣先の膨らんだ形(剣先のに重量を持たせる事で威力を上げます。)
特徴を意識してデザインした剣の作例。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-13-11.jpg)
切断型の紹介
刃物の切るという事に特化させた剣。
現実ではナイフや包丁などの解体や調理に使われる刃物。
特徴は曲線の刃で接触面を減らして威力を上げる事。
また少し先端に出っ張りなどを作り剣先に重量を持たせると威力が上がります。
刺突型の剣
刺突型の特徴
・まっすぐで鋭い先端
・フラーという溝
・軽くて細い刃の形
特徴を意識してデザインした剣の作例。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-14-11.jpg)
刺突型の紹介
対人用に作られた剣。それ以外の用途は基本ありません。
軽くて細くまっすぐな刃+フラーという溝を描けばそれっぽくなります。
このフラーは刺さった時に抜けにくくなることを防いだり軽量化の為につけられてます。
刃と柄の比率
柄が短くてて刃が大きいほど威力は上がります。
その分扱いは難しくなります。
そして連続で使用する場合の使い勝手が悪くなります。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-10-11.jpg)
絵が長くて刃が小さいほど威力が下がります。
その分扱いは簡単になります。
そして連続で使用する場合の使い勝手が良くなります。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-11-12.jpg)
剣デザインのカタログ
剣のデザインをa~eの5つの領域に分けます。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-3-20.jpg)
そして各場所に合わせて役立ちそうなデザイン案を載せます。
制作にお役立てください。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-9-11.jpg)
【a範囲】
ここは剣の用途、破壊型、切断型、刺突型の用途に合わせてデザインを作ってください。
見た目的には角を作った方がシャープな見た目になります。
実用性は丸みがある形です。
先端を大きくすると遠心力と重みで威力が上がります。(その分扱いが難しくなります)
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-4-16.jpg)
【b範囲】
剣とガードの接続部分です。
デザイン的に凹みを入れると見栄えが良くなります。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-5-15.jpg)
【c範囲】
ガードです。権威などを象徴する装飾はここに入れます。
自由にやりたい放題デザインを作ってください。
ただし内側にカーブさせると手に当たってしまうので注意。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-6-13.jpg)
【d範囲】
グリップです。
下の方に行くにつれて細くしたり、途中にアクセントの溝や尖りを作ると見栄えします。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-7-13.jpg)
【e範囲】
ボンメルです。
ここは自由に形を作ってください。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2021/12/image-8-12.jpg)
剣のかっこよさの正体
剣はただの道具としての用途だけでなく様々な意味や象徴を持ってます。
・力の象徴、
・騎士や王族の権力と名誉の象徴
・騎士道の精神美を象徴
神聖なものとして祭りや儀式用の剣も出来ました。
そうした歴史が有る事が剣にただ切る為の鉄の板という印象ではなく
カッコよさや崇高さを感じさせる仕組みです。
ゲームの剣のデザインについて
求められる事はカッコよさや崇高さ、時には権力と名誉の象徴になる事です。
これが表現出来て伝われば成功という一つの指標になります。
殺傷能力だけであればメイスや槍でも同じですがやはり剣が人気です。
銃がある中、今でも剣で戦うゲームが残ってる理由もこちらだと考えらえれます。
まとめ
剣の描き方、デザインの仕方について紹介しました。
私自身がゲーム会社に入ったものの剣を1本も描いたことが無くうまく描けず悩んだことをきっかけに研究しました。
同じような悩みを持つ方やこれから剣を描く人に参考になりましたら幸いです。
おすすめ参考資料
コメント
装飾が多すぎて逆にダサい、玩具っぽいと感じるのは私だけだろうか。。。
昔仕事でファンタジー系の物を求められたことがあって。
その時にまとめたものです。
個人的には私もあまり好きじゃないのですが、
こういうのを「かっこいい」として求める場所もあるので…。
細かな価値観は人それぞれ。
最後にダサいか決めるのはクライアント次第になってきますね。
(自分はこれダサいと思いながら、クライアントはこれがカッコいいと思う要素かなと思い = 世の中の価値観と自分の価値観のズレかな…? と思って作業してました)