【音楽】vst版 / JD-800の使い方【DAW,シンセサイザー】

音楽
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はじめに

今回はvst版、JD – 800の使い方を解説します。
これは「JD – 800」を再現したシンセサイザーです。
Roland Cloud経由で配布されてます。

公式の説明書について

Rolandは日本のメーカーです。
なので、日本語公式の説明書がしっかりしています。

こちらに説明書にアクセス。
Ctrl+Fで検索すると、大概の事は何とかなります。

file:///C:/Program%20Files/Common%20Files/VST3/Roland/JD-800/Manual/JD-800_Manual_J.pdf

なので、ここでは説明書に無かった事、読んでナニコレとなった事を中心に解説します。
・これから使いたい人や使う人向けの記事です
・細かい動作解説は説明書の方が上です

ようするに、説明書を読めるようになるため記事です

JD-800 Model Expansionとの買い間違いに注意

「JD – 800 Model Expansion」は “Zenology” というシンセ上で動きます。

単体で動く vst版 JD-800とは別物なので注意してください。

正直、最初に欲しかったのはJD-800の方でした。
間違えて買いました。

JD-800 Model Expansionについては、こちらで解説。

【音楽】JD-800 Model Expansionの使い方【DTM,プラグイン】
Roland公式がJD-800を再現したシンセサイザーです。JD-800 Model Expansionは「ZENOLOGY」の中で動作します。音は単体で動くJD-800とほとんど変わらないです。こちらの導入~使い方を解説。

JD-800との違い

JD – 800の再現シンセは「JD-800 Model Expansion」と「JD-800」の2つが出てます。
この2つの違いは「見た目」と「操作性」です。

形が違うだけで、昨日はほとんど同じです。
(Zenologyのエフェクトが使える、全体のリバーブがある、この2つが違い)

拡大用のツイッター画像。

音的な違いは… 正直、無いに等しいです。
音は強いて言えば、JD-800の方がややフラット。
JD-800 Model Expansionの方がやや立体的かなという印象。

JD-800はZenologyのエフェクトが使えません。

しかし、ZENOLOGY FXを刺せば代用可能。

Zenology系エフェクトの順番が最後になることが、JD – 800のデメリット。

また、全体のリバーブもJD-800にはありません。

JD-800目当てならどちらでも大丈夫です。
足りないものは他のプラグインで代用可能。

◆JD-800 Model Expansionの強み
・開いた時に前回使用したプリセットが読み込まれる
・4トーンの操作が分かりやすい
・エフェクトをほぼ全て1画面で管理できる
・Zenologyのエフェクトモジュールが使える
・最後の全体にかけるリバーブがある
・若干軽い(ほんとに少しだけ)

◆JD-800 Model Expansionの弱み
・実機を使ってる感は全くない
・プリセット名で「JD-800」を検索しても出ない
・他の音源をZenologyで使う場合、探すのが手間
・プラグイン名がZenologyになるのでトラック名を変えるなどの編集が必要
・単品購入ではプリセットを保存できない可能性がある(プリセット保存には、土台になってる”Zenology”のフル版購入が必要(?)229$

◆JD-800の強み
・実機に近い形
・プリセット名で「JD-800」で検索できる
・単品購入でプリセットを保存できる

◆JD-800の弱み
・開いた時に読み込まれるプリセットが1-1に固定
・4トーンの操作が分かりずらい
・エフェクトを操作するのに画面を変える必要がある
・Zenologyのエフェクトを使うには「Zenology FX」を刺す必要がある
・最後の全体にかけるリバーブが無い
・若干重い(ほんとに少しだけ)

個人的に「JD-800 Model Expansion」で良いと思います。
EQやエンベロープがグラフ表示で分かりやすいのが魅力。

JD-800を買ったポイントは「90年代の音」をそのまま使える所。
小室哲哉さんが使用した、プリセットの53番「Ac.Piano 1」を、公式が再現した音を使うために買いました。

プリセットの使用がメイン。
やっても、ちょっとした改造ぐらい。

なので、個人的にプリセット保存は無くても大丈夫かなと思いました。

もし、プリセット保存使いたいぐらいこだわるなら「Zenologyのフル版(229$)」を買う。
ZenologyにはドラムマシーンTR606、707、808、909を再現した素材が入ってるので普通に買う価値あり。

TR系のドラムマシーンの比較はこちらで解説。

【音楽】RolandのTR系ドラムマシーンソフト比較【DTM,プラグイン】
TR系ドラムマシーンはRolandが再現ソフトを出してます。公式音源は無印のTR系とZENOLOGYというシンセ中にあるものがあります。無印の方が音が良いですが、その分高価。またAbletonや他の会社が出してる再現はやはり少し違います。こちらを解説。

JD-800を導入する

JD-800 Model Expansionは下記の手順で導入します。

1,Roland Cloudの導入
2,JD-800 Model Expansionを購入する

この方法を解説。

Roland Cloudの導入

Roland Cloudはサブスク契約できます。
が、ここでは単品で購入します。

こちらのページにアクセス。
画面下部までスクロールし「Downloadはこちらから」をクリック。

Roland - Roland Cloud Membership
Roland Cloud Membership

ダウンロードした.exeを実行。
指示に従ってインストール。

Roland Cloud Managerが入ったことを確認。

アカウントが無ければ、アカウント作成。
サインインします。

これで、Roland Cloudの導入が完了です。

JD-800を購入する

購入の仕方は下記の2つ
・サブスク契約
・単品で買う

サブスク契約

Roland Cloudを立ち上げ。
画面右上の「メンバーシップ」をクリック。

ここで契約できます。

契約プランは下記の4つ
・Free (無料)
・Core (29.99$/年、2.99$/1ヶ月)
・Pro (99.00$/年、9.99$/1か月)
・Unlimate (199.00$/年、19.99$/1か月)

JD-800 は「Unlimate」を契約すると使うことができます。
以上がサブスク契約での購入法です。

単品で買う

ソフトウェア → Legendaryを選択。

中にある「JD-800」を選択。
右側の3つの点をクリック。

カートに入れるボタンが出てきます。

右上のカートをクリック。
ここで購入できます。

以上が「単品で買う」方法です。

あとは、プラグインからJD-800を開きます。

以上がJD – 800の導入方法です。

JD-800の基本操作

Presetの所でプリセットを選べます。
「Ac.Piano 1」は 5-3にあります。

右下PANELより「COMMON / EFFECTS」をクリック。
すると、エフェクト操作画面に切り替えれます。

TONEを選択すると、元の表示に戻せます。

JD-800は4つの音を出す回路があります。
これの「ON/OFF」と「操作対象」は左側で切り換えれます。

ACTIVEを切り替えると、このように4つ分の設定が出てきます。

拡大縮小は画面の左下。

何かを操作すると、操作した内容がTONE A~Dに表示されます。

この状態で、PALETTEを操作。
すると、画面を切り替えずに4つの設定を操作できます。

処理の順番は書かれてないので、JD-800 Model Expansionから確認します。
右上に処理順が書かれた場所が出てきます。

大きな流れは下記。


・音を出す回路(TONE A~D)
・EQ
・エフェクト(A)
・エフェクト(B)

以上が基本操作です。

音を出す回路について

音を出す回路は下記。

こちらを下記の順で解説していきます。
・入力設定
・波形生成
・フィルター
・アンプ
・音程操作ENV
・LFO

入力設定(COMMON)

ここでは下記の2つを設定できます。
・ペダル系の操作
・ベロシティのかかり方

HOLD CONTROLとは、ホールドペダルの意味。
ホールドペダルは、ダンパーペダル、サスティンペダルなどの総称です。

ONにしても、実際に動かすには、このようなペダルが必要になります。

以上が入力設定です。

波形生成(OSC/VCO)

WGの「WAVE FORM」で波形を選べます。

他のWG設定項目で波形を操作できます。

それぞれの意味は下記。

・WAVE GAIN = 音量の操作

・PITCH COARES = 音程を半音変化
・PITCH FINE = 音程を1Cent単位で変化

・PITCH RANDOM = 音程をランダムに変化
・KEY FOLLOW = 音程の変化量
 (+100%が正常、+200%にすると1オクターブの操作で2オクターブ動く)

・A-TOUCH BEND = アフタータッチの有効 o r無効化
・BENDER = ピッチベンドの有効 o r無効化

・A-TOUCH MOD = アフタータッチでの変化設定
・LFO1 = LFOでの変化設定
・LFO2 = LFOでの変化設定
・LEVER = Modホイールによる変化設定

アフタータッチとは鍵盤上で指を動かす操作。
このような動作です。

「ホイール」と「アフタータッチ」の対応は下記。

以上が波形生成です。

フィルター(VCF)

TVFがフィルターです。
画面上部にエンベロープがあります。

エンベロープは5つの制御点があります。
Model Expansionで表すなら下記。

その他の機能は下記の通り。

【TVF ENV】(俗にいう、フィルターエンベロープ)

・T1~L4
 = 5つの制御点があるエンベロープ操作

・VELO
 = ベロシティーの強さでエンベロープの"有効度"を変える

・TIME VELO
 = ベロシティーの強さでエンベロープの"時間"を変える

・TIME KEY FOLLOW
 = 音程でエンベロープの時間を変える処理がある。その"音程の閾値"
【TVF】

・MODE = フィルターの種類(低音、中音域以外、高音カット)

・CUT OFF FREQ = どの周波数を閾値にカットするか
・REZO = カットが始まる前の周波数強調(ミョーンってなるやつ)
・KEY FOLLOW = 音程でカットする周波数を変えれる

・LFO関係 = 音量にLFO割り当て


・A-TOUCH = アフタータッチで周波数操作(鍵盤上を指で動かすやつ)

以上がフィルターです。

アンプ(AMP/VCA)

TVAがアンプです。
画面上部にエンベロープがあります。

エンベロープは5つの制御点があります。
Model Expansionで表すなら下記。

その他の機能は下記の通り。

【TVA ENV】

・T1~T4
 = 5つの制御点があるエンベロープ操作

・VELO
 = ベロシティーの強さでエンベロープの"有効度"を変える

・TIME VELO
 = ベロシティーの強さでエンベロープの"時間"を変える

・TIME KEY FOLLOW
 = 音程でエンベロープの時間を変える処理がある。その"音程の閾値"
【TVA】

・LEVEL = 全体の音量

・BIAS DIRECTION = 「BIAS POINT」を基準点にし、音量を変える
 → UPPER = 基準点より高い音に変化
 → LOWER = 基準点より低い音に変化
 → U&L = 基準点を中心に低音と高音を左右対称に変化
・BIAS POINT = どこを基準に音量の強調を入れるか(64 = C4)
・BIAS LEVEL = 音量をどのように変化させるか(+で強調、−で抑える)

・A-TOUCH = アフタータッチで音量操作(鍵盤上を指で動かすやつ)

・LFO関係 = 音量にLFO割り当て

以上がアンプです。

音程操作(Pitch ENV)

PITCH ENVで音程を段階的に変化できます。

ピッチのエンベロープは操作項目がやや少ないです。
Model Expansionで表すなら下記。

【TVA ENV】

・T1~L2
 = エンベロープ操作

・VELO
 = ベロシティーの強さでエンベロープの"有効度"を変える

・TIME VELO
 = ベロシティーの強さでエンベロープの"時間"を変える

・TIME KEY FOLLOW
 = 音程でエンベロープの時間を変える処理がある。その"音程の閾値"

以上が音程の操作です。

LFO

LFOは2つあります。

SYNCを押すと、BPMと同期します。

あとは、一般的なLFOと同じです。

・SYNC = BPMに同期
・RATE = 波の幅
・DELAY = LFOがかかるまでの時間を遅らせる
・FADE = 時間経過でLFOを弱める
・WAVEFORM = 波の形
・OFFSET = 波をずらす
・KEY TRIG = 鍵盤を押した時にLFOが始まる

以上が、LFOです。

COMMON / EFFECTSの処理

MIDIキー入力コントロール

「BEND」と「KEY RANGE」がMIDIキー入力関係のコントロール処理です。

・BEND RANGE _ UP = Pitchホイールを上げた時の音程変化量
・BEND RANGE _ DOWN = Pitchホイールを下げた時の音程変化量
・A-TOUCH BEND SEND = アフタータッチによる音程変化量
 (キーボードの上で指動かすヤツ)

・KEY RANGE = MIDIキー入力の有効範囲、基本は使わない

以上が、MIDIキー入力コントロールです。

エフェクト処理

エフェクトは下記の3つに分類されます。

・EQ
・様々なエフェクト(グループAとB

・全体ユニゾン

それぞれの配置はこちら。

この4つを解説していきます。

EQ

制御点が3つのEQです。
MIDのみQの設定項目があります。

Model Expansionで表すなら下記。

Model Expansionを見る限り、EQは一番最初にかかるようです。
なので、基本はカット用。

EQの詳細はこちらで解説。

あと、EQ横にある「PATCH COMMON LEVEL」は全体の音量になります。
厳密にはEQでは無いですが、近くにあるのでまとめて紹介しました。

以上がEQです。

様々なエフェクト(グループAとB)

エフェクトは7つあります。
これらはAとBのグループに分けられます。

名前の左上で有効化できます。

名前の所をドラッグ&ドロップでAとBグループ内でかける順番を変えれます。

それぞれのエフェクトの意味は下記。

【グループ A】(JD Multi)
・DISTORTION = 音に歪みを加える
・PHASER = 音にうねりを加える
・SPECTRUM = EQのようなもの、グラフィックイコライザー
・ENHANCER = 倍音を付加する、主に高音域の抜けを良くするためのもの

【グループ B】
・CHORUS = 音の厚みを増やす、複数の音が鳴ってるようにする
・DELAY = やまびこ、音の遅延
・REVERB = 反響音、

また、右側の所でグループに合わせた操作が行えます。
Aグループは「ON/OFF」と「音量」を変えれます。
Bグループは「DRY – WET」と「音量」を変えれます。

以上が、様々なエフェクト(グループAとB)です。

全体ユニゾン

ユニゾンは同じ音を複数鳴らす処理。
プリセット右側の「UNISON」ボタンでユニゾンを有効化できます。

この処理は、4つの音が出る回路全てに影響を与えます。
有効化すると、音の厚みが増えます。

以上がCOMMON / EFFECTSの処理です。

モノフォニック関係の処理

モノフォニック関係の処理はプリセットの右側にあります。

それぞれの設定項目はこちら。

・SOLO = モノフォニック化する
・SOLO LENGT = キーを押しながらの別のキーを押した時のアタックが消える

◆PORTAMENTO
 = 最初の音から、別の音への変化を滑らかにする処理。

・ON = PORTAMENTOを有効化する
・MODE = PORTAMENTOのかかる条件分岐
  → NORMAL = 常に入る
  → LEGATO = 2つ以上のキーが押された時だけ入る
・TIME = PORTAMENTOの変化時間

以上がモノフォニック化関係の処理です。

その他の操作

UTILITYをクリック。
すると、4つの回路のコピー、ペースト、初期化などが行えます。

MENUをクリック。
ここで細かな設定を触れます。

・上2つはレイアウトの変更

・4つのMIDIはMIDIマッピング設定

・Voice Limitは、音を出す負荷の設定(上げると重くなり、音が良くなるが)

・Authenticationは、ZENOLOGYのライセンス認証

・Helpは、説明書の表示
・About Aboutは、バージョンなどの表示

VOLUMEで全体の音量を上げれます。

プリセット関係の処理

左側の矢印ボタンでプリセット切り替え。
NAMEで名前を変えれます。

PATCHでプリセット専用画面を表示できます。

NEWでプリセットを保存できます。

おまけ:53-KT Piano再現

JD-800は小室哲哉さんが使用した53番の音源が有名。
通称KT – piano。

globe / 「DEPARTURES」などに使われたアノ音。

細かい事は、こちらで詳しく解説されてます。
ここでは、要点を抜き出して再現する方法だけ解説します。

JD-800の53番ピアノを再現したVSTi No.53 Piano V2
※2022/5/11更新 あの有名な?JD-800の53番ピアノ、通称TKピアノをKONTAKTとVSTiで再現してみました。 再現度にはかなりこだわっていますので、いろんなメーカーから販売されている再現系や個人が制作したものの中でもかなり

ちなみに、参考元にしたkt Piano解説サイトの作者さんが作った無料のkt Piano再現ソフト「VSTi No.53 Piano V2」はこちらで解説。

【音楽】VSTi No.53 Piano V2の使い方【無料,音源】
これは、小室哲哉さんが使用した「kt Piano」を再現した無料音源です。kt Pianoは、RolandのJD-800の53番「Ac.Piano 1」を元に作られました。こちらに近い音が鳴ります。音の出る回路は2つ、エフェクトはEQとリバーブのみ。こちらの導入~使い方を解説。

まず、プリセット5-3の「Ac. Piano 1」を読み込み。

TONEを選択し、PANELを変更。

ベロシティーカーブを2番目のモノに設定。
これで、kt piano的な弱く引いた時の音の丸み、強く引いた時のカーンという音の再現ができます。

PALETTEで「TYPE2」の設定を4回路に設定。

LAYERで「TONE D」を有効化。
ACTIVEで「TONE D」を表示。

WGの中にある、K.Fを100%や101%に設定。
実機は102%ですが、ソフトだと誤差が大きいので修正。

以上がkt pianoの再現です。

まとめ

vst版、JD – 800の使い方を解説しました。
・単品で動くJD – 800の再現シンセサイザー
・右下のPANELで「音編集」と「エフェクト」の画面切り替えが可能
・4つの音が出る回路があり、画面左上の「TONE」で操作を切り換えれる
・PitchとModホイール、ペダル、アフタータッチの制御に対応
・SOLOを使えばモノフォニック化可能
・公式の説明書が日本語で充実している
・その他、必要に応じてCtrl+Fで機能を検索

また、他にも音楽について解説してます。

ぜひ、こちらもご覧ください。

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