はじめに
今回は、Blenderでキャラモデルにウエイトを塗って動かす方法を解説します。
第22回の続きになります。
このようなキャラクターのモデルがある状態で進めます。
(素体のウエイト付けまで完了していればOKです)
造形を計画する
まず、現実でのシュシュの作り方を調べます。
リアルシュシュは円筒の形状の中に、ゴム紐を入れて作られてます。
これを3DCGで2つのドーナツ形状を作り再現します。
大きなドーナツ形状に布のシュミレーションを入れます。
さらに、小さいドーナツ形状に衝突判定+縮小のアニメーションを入れます。
すると、下図のような形ができます。
これを調整して、シュシュを作ります。
以上が、造形の計画です。
シュシュの原形を作る
Shift+A → メッシュ → 「トーラス」を作成。
※トーラス=ドーナツ形状という意味です。
Ctrl+C → Ctrl+Vで複製。
アウトライナーで2つのトーラスができたか確認。
Z → 4キーでワイヤーフレーム表示。
どちらかのトーラスを選択。
Tabキーで編集モード。
Aキーで全選択。
Alt+Sで収縮膨張で細くします。
中に入れるゴムを幅広タイプにしたい場合、Sキー → Zキーで縦方向に伸ばします。
厚みを再現しても結果に影響は… あまりありません。
オプジェクトモードで大きい方のトーラスを選択。
物理演算プロパティ → 「クロス」を選択。
小さい方のトーラスを選択。
物理演算プロパティ → 「コリジョン」を選択。
画面下部にタイムラインが表示されてる事を確認。
なければ左上のボタンをクリック。
「タイムライン」を選択して表示。
スペースキーで再生。
すると、下図のような動きになります。
小さいトーラスを選択。
タイムラインを「0」の位置に移動。
Iキー → 「スケール」のキーフレームを入力。(状態の記録情報)
タイムラインを60に移動。
上の数字の所をクリックすると、移動できます。
Sキー → Shift+Zキーで上下以外の大きさを変えずに縮小。
Iキー → 「スケール」のキーフレームを入力。
次に、面が入り込むバグを修正します。
これは、面の向きの問題です。
ビューポートオーバーレイで面の向きのを選択。
Shift+Nキーなどで面の向きを修正。
2つとも青くなるようにします。
これで、治ります。
あとは、クロスのパラメーター設定は難しいです。
そこで右上にあるプリセットを使います。
今回は「デニム」にしました。
名前は気にせず、挙動を見て決めてください。
この状態で再生。
すると、シュシュの形ができます。
赤くなってるのは面が突き抜けた部分です。
あとは、外側のトーラス形状の形を調整します。
パラメーターや布の形を調整。
シュシュらしい形にします。
これで、シュシュの原形が完成です。
メッシュ化して調整する
大きい方のトーラス形状を選択。
モディファイアプロパティ → 「Cloth」を適応。
中にある小さいトーラス形状を削除。
大きい方のトーラスにモディファイアプロパティ → 「サブディビジョンサーフェース」を追加。
サブディビジョンを適用。
分割数が増えますが、形がスムーズになります。
ポリゴン数が増えたことが気になる方はデシメート。
分割の復元 → 反復を「2」に設定して調整してください。
面の向きを表示。
突き抜けて裏側が見栄て赤くなった面を確認。
スカルプトモードを使って赤い部分を修正します。
主に下記の2つのブラシを使って修正します。
・Shift+クリックのスムーズブラシ
・Iキーのインフレートブラシ(膨らます効果)
側面をへこませる
左のような形にしたい場合、これ以降の処理を行います。
右側で横れば、このままで大丈夫です。
Alt+クリックで、シュシュの側面の外と内側の辺をループ選択。
プロポーショナル編集を入れて、Sキー → Shift+Zキーで縮小。
これで、側面をへこませることができます。
腕に装着する
Sキー → Gキーで手首の所に移動。
大きさは手の横の厚みで合わせます。
幅をSキー → Zキーで増やします。
Altクリックでシュシュ上か下の辺をループ選択。
プロポーショナル変形で手首の形に合わせます。
下側も同様に調整。
Shift+クリックでシュシュ → 体の順に選択。
この体のメッシュはミラーモディファイアで片側だけ作られてます。
なので、体を後で選択して適用するとシュシュが左右対称に複製されます。
以上で、装着する処理が完了です。
腕といっしょに動かす
手のウエイトを確認。
シュシュを配置する場所を再度検討します。
赤くなってる所は100%装着OKな所。
黄色ぐらいの所は、装着可能ですが突き抜けなどに注意。
青~緑は避けた方が良いです。
大丈夫そうであれば、面マスク。
Alt+Aで全選択解除。
Lキーでシュシュをリンク選択。
Alt+クリックでシュシュが無い方にグラデーションウエイト。
1の値で塗りつぶします。
軽くボーンを動かして動作確認。
問題が無ければ、腕と一緒に動かす処理が完了です。
以上が、シュシュのモデリングです。
まとめ
今回はシュシュの作り方を紹介しました。
・クロスシュミレーションを使ってシュシュの原形を作成
・幅が違う2つのトーラス形状を用意
・幅が大きい方にクロスシュミレーションを入れる
・幅が小さい方にコリジョンと収縮アニメーションを入れる
・あとはスカルプトで調整
↓次回↓
また、ほかにも3DCGについて解説してます。
ぜひ、こちらもご覧ください。
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