はじめに
今回はコードの進め方について解説します。
こちらの「はじめに~複数の音を同時に鳴らす」を読んたことを前提に進めます。
必要な前提知識
この6つさえ頭に入っていれば大丈夫です。
・コード=7音階で見て1マス間隔で3つの音を重ねて出すもの
・コードは7つあり、T、SD、Dの役割がある
・Tは緩和、SDはやや緊張、Dは緊張
・T → SD → D → Tの流れで進むのが理想
・長音階と短音階でT、SD、Dの役割が変わる
・その他、派生して様々なコードパターンがある
基本的な長調での7音階のコードとT、SD、Dの役割がこちら。
さらに、短音階ではⅥの役割が変わります。
そして”m”が付き、T、SD、Dの性質が少し弱まります。
この、T → SD → Dで組めばいいと分かった。
だが、どのT、SD、Dを選べばいいか分からない!
という、ぎもんをこの記事で掘り下げます。
コードの進行について
まず、今回のコード進行理論ですがSound Questの「自由音楽派理論」を参考にします。
これが、DTM初心者からすれば、〇度や楽譜が分からないので難しいです。
また、上級者でも、別の理論と辻褄が合わない違う所があって難しいです。
なので、その辺りをかみ砕いて説明し、最後に私の考え方を紹介する形になります。
自由音楽派理論の変更点
まず、自由音楽派理論では既存のコード理論と3つの違いがあります。
・Ⅶのコードが無視して6つのコードで進行を考える
・ⅢがTからDに変更
・長調と短調を同一として考える
◆Ⅶのコードが無視
Ⅶは扱いにくい“m-5“というコードになります。
なので省いて考えます。
Ⅶの音については、下記で紹介する6つのコード理論のⅤの音を入れ替えれるものと思ってください。
◆ⅢがTからDに変更
Ⅲは非常に解釈が分かれる音です。
3音の場合、2つ以上の音が共通すれば、コードを代理で使える考え方があります。
この代理コードの考え方をするとⅢはⅠ(T)とⅤ(D)の両方に向かいます。
なので、一般的にはTの代理が主流です。
が、Dの代理をしてるとも考えられます。
4(F)と7(B)が不安定な音という考え方があります。(トライトーンや単音の性質)
Ⅴの音と2音共通し、Bの不安低音が入るからⅢはDと考えることもできます。
Ⅲに関しては、私はTとDの2つになれるものと考えます。
ソシャゲで出てくる2属性キャラのイメージしてください。(光+炎のような)
どちらにしても、使う時に注意が必要な音です。
自由音楽派理論のコード進行
6つのコードで変化幅を見ます。
変化幅は“上下”に”1,2,3マス”です。
それ以上変えると、1オクターブ違う同じ音になります。
(下図の例では、C3と4は距離が同じなので区別します。D4を使う場合はD3の方が距離が近いのでD3を使います)
自由音楽派理論を参考にする場合は…
⚠Ⅶを省いてカウントしてください
ここで出てきた2つの要素「上下」と「1,2,3マス」で個性が出ます。
・上下1マス:基本はスムーズに繋がる。綺麗に聞こえやすい。
・上2マス:弱い変化。浮遊感。切なさ。EDM系で感情の煽りを減らすのに使われる。
・下2マス:自然で弱い変化。
・上3マス:自然でダイナミックな進行感、やや個性的。
・下3マス:自然でダイナミックな進行感、最も基本的で聞きやすい。
(クラシックやジャズの基本とされた進行)
考え方としては、基本は1マス。大きく変化をつけるなら3マスです。
2マス系はクラシックやジャズに無い”新鮮さ”が必要な「現代のEDM系音楽」に有効。
そのなかで、かつての禁則を意識しながらコードを進行させるという考え方ができます。
これが、Sound Questで紹介されてる自由音楽派理論の考え方です。
かつての禁則
今では平気で使われますが、クラシックやジャズのコードの元理論で禁則とされたものがあります。
・D → SDの進行
・Ⅲ → Ⅰの進行
・T、SD、Dの同じ機能のmから無印への進行
これは、理論ができた時の人々の感性に合わなかったものです。
現在の音楽では平気で使われます。
ただ、このタイプの音は少し変わった響きをするので注意して使ってください。
では、実際にどうコードを組むか
自由派音楽理論からⅦを無視して6マス、6コードで考えるとこのような音になることが学べました。
この考え方はコードを組む上で非常に有益です。
・上下1マス:基本はスムーズに繋がる。綺麗に聞こえやすい。
・上2マス:弱い変化。浮遊感。切なさ。EDM系で感情の煽りを減らすのに使われる。
・下2マス:自然で弱い変化。
・上3マス:自然でダイナミックな進行感、やや個性的。
・下3マス:自然でダイナミックな進行感、最も基本的で聞きやすい。
(クラシックやジャズの基本とされた進行)
が、主流の音楽理論は自由音楽派理論と別の考え方をしています。
なので、いろんなところで解釈違いが起こります。
そして、改めて「では、実際にどうコードを組むか?」という問題が起こります。
その解決方法について私なりに解説します。
ジャンルの王道進行を検索して使う
ジャンルによって、王道とされるコード進行があります。
これを使うと“ジャンルらしさ”を表現できます。
・J-popなら「4-5-3-6、6-4-5-1」など。
・EDMなら「6-4-1-5、6-4-5-1」など。
これを検索してそのまま打ち込みます。
後は転回したり、テンションコードなどを入れて完成します。
作る側も、聞く側も分かりやすい親切設計ができます。
メロディーを引き立てる土台として考える
コードは、一言で言うと理論を突き詰めると「自由」になって行きます。
この自由性を活かして、メロディに合わせてコードを変えるという考え方ができます。
こちらの解説より、一部を抜粋。
まず、単音の持つ性質でメロディを決めます。
メロディは音楽の顔部分で、一番融通が利きにくいです。
つぎに、副旋律を作ります。
副旋律はメロディよりは融通が利きます。
そして、コードを作ります。
まず、T → SD → D → Tのような進行だけを組みます。
コードを修正します。
メロディに合う音や、コードの性質を意識してT、SD、Dの音を入れ替えます。
他にも自由派音楽理論などの考え方を取り入れて曲の印象を作ります。
コードは色々と融通が利きます。
できた全体図を見て気になる所を修正します。
メロディーは、音の高さの関係守りながら少しだけ上下します。
あとは聴いて判断です。
メロディの理論が必要ですが、このような考え方でコードが作れます。
まとめ
今回はコード進行の考え方について解説しました。
・ⅦとⅢの扱いに注意
・かつての禁則は「D → SD」「Ⅲ → Ⅰ」「T、SD、Dの同じ機能のmから無印」の進行
・組み方はジャンルの王道進行を真似て改造 or メロディーベースで組み立て
・自由派音楽理論の考え方も役に立つ
・コードは理論を突き詰めると何でもありになって行く
という事を紹介しました。
ほかにも音楽のジャンルやそもそもの12音階や音の性質について解説してます。
ぜひ、こちらもご覧ください。
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