はじめに
今回は情報断食ニュースダイエットについてまとめます。
デジタルミニマリストなどと言われるアレです。
情報は私達の幸福度を下げる
心理学者バリー・シュワルツ氏の言葉「情報量と幸福度は反比例する」とあります。
そして、バリー・シュワルツ氏は選択パラドックスの提唱しました。
【選択パラドックス】
・選択肢が多いほど不幸を感じやすくなる心理作用
【選択パラドックスの例】
・多すぎる選択肢 → 選択に時間かかかる → 時間を失う
・選ぶことをやめ、行動を先延ばしにする → やる気を失う
・選んでもそれが本当に良かったのかと疑ったり後悔してしまう → 満足感を失う
・選択肢の多いと、良いモノがあるはずだと期待値が上がり満足しなくなる → 満足感を失う
かつて、豊かじゃなくモノに溢れて無かった時代は選択肢が多い方が幸せでした。
が、モノに溢れた現代社会は「多すぎる選択肢」を与え、幸福度を下げてます。
「情報」においても同じことが言えます。
【ブータンの幸福度低下】
・ブータンは2013年では世界幸福度8位だった
・2019年には95位になり、それ以降はランク外(156位以下)
・これの1つの要因が2013年までインターネットが無く、情報が入ってこなかった
・しかし、スマホ、SNSの登場で他の国と比較できるようになった
・そしてこの「情報」によって幸福度が下がったと言われている
・このエピソードは、今では5chやなんJ民のネタを化している(詳細)
SNSやニュースの問題点
SNSやニュースの登場で情報が膨大に増えました。
そして、幸福度を下げる問題が多数起こってます。
比較相手が全世界の人になる
人は比較する生き物です。
そして、SNSなどを使うと、比較相手が全世界になります。
【人は比較する生き物】
・人間、哺乳類は、次世代の育成に大いにコストとリスクがかかる
・なので、慎重に相手を決める
・そこで他社と比較し、格付けを行う
・人の格付けは、年収、職業、年齢などでおこなう
・人以外にも星の数、レビューの評価、書評、いいね数、フォロワー数、などで格付けする
・そこで、自分が他人より下と思えばストレスを感じるようになる
【ネットの登場で増えた比較相手】
・長者番付
・フォロワー1万人以上のアカウント
・ミスコン
・プロゲーマ―
・インスタグラムでリア充写真を投稿するアカウント
・その他の成功者
…など
これらは、自分と比較させてストレスを生む原因。
結果、自分と何の関係の無い人たちと比較し、自分よをより「卑小な存在」に感じさせる。
そして、幸福度を下げる。
これが、SNSやニュースの問題点の1つです。
情報、コンテンツが無限に湧き出る
今は、私たちの興味を惹きつけるアプリ、ゲーム、情報、コンテンツなどが無限に出てくる時代。
そして。人生をかけても全てのコンテンツを消費しきれなくなりました。
時間術大全ではこれを「無限の泉」と表現してます。
そして、その多くのモノには依存症にさせる仕組みが入っている。
スマホ依存症の人が増え、「時間、お金、心」を無駄に消耗させられている。
そして、どこまで行っても終わりがない事。
これが、SNSやニュースの問題点の1つです。
人はネガティブなモノに注目する
ニュース、SNSの発信者は閲覧数を増やして広告などの収益を得ようとしてます。
そこで、人間の「ネガティビディバイアス」が使われることが多いです。
【ネガティビディバイアス】
・ポジティブな刺激より、ネガティブな刺激に脳は強く反応する性質
・「株価10%アップの喜び」より「株価10%ダウン」の落胆の方が大きい
また「FACTFULNESS」の恐怖本能という言葉を借りれば…
暴力、拘束、毒(目に見えない要素)に対して、必要以上につよい恐怖心を覚えるようにできてます。
この性質を利用して、過度に不安を煽ったり、攻撃的な見出しをつけるメディアが増えました。
【過度に不安を煽る見出し例】
・〇〇を知らないとマズい
・ブラックすぎる〇〇
・〇〇はウソ
・〇〇に騙されるな!
…など
だいたいYoutubeのサムネで暗い背景+赤字で表現される事が多いです。
そして、内容も極端にネガティブなものを集めてます。
【ネガティブに偏った報道、発信】
・日本の未来は「暗い」系(円安、少子化、高齢化…など)
・世界の未来は「暗い」系(異常気象、温暖化…など)
・戦争や疫病のなどのニュース
・外国や住んでる地域以外の大きな災害
・殺人事件や事故
…など
このようなモノを見ていると、気分が沈み、疲れます。
また、動画で見る刺激は6倍ネガティブを増幅させるという報告もあります。
これが、SNSやニュースの問題点の1つです。
ストレスの副流煙について
他人がストレスを感じてる所を見ると、自分にもストレスがかかるという影響が出ます。
これは「セカンドハンド・ストレス」と呼ばれます。
ストレスのまき散らし、タバコ副流煙のようなモノです。
【セカンドハンド・ストレスの原因】
これはミラーニューロンの影響と考えられてます。
【ミラーニューロンとは】
他者の行動などを見て、自分も行動したように反応する脳の回路、共感の仕組みです。
これがあるので、人はアニメや小説を見ます。
なので、ニュースの中で出てくる攻撃的な言葉、戦争の風景、政治批判の強い言葉、アニメなどの戦闘描写、その他さまざまなネガティブ要素はニュースやTVでよく流れますが、これを見るだけでもあなたはストレスを感じ、ストレスホルモンによる悪影響が生じます。(コルチゾールやアドレナリンなど)
これも1つの問題点です。
個人最適化アルゴリズムの檻
インターネットは個人の趣味趣向に最適化する仕組みを持ってます。
Amazonにおすすめ商品が出るアレです。
【個人最適化に使われる情報】
・購入履歴
・閲覧履歴
・クリック数
・表示時間
…など
こうして、インターネットはあなたが「見たいモノ」しか見せなくなります。
結果、自分と同じ意見が集まり、間違った意見でも強化されていきます。
(エコーチェンバーン効果)
そして、陰謀論などにハマっていく人が出てきます。
これが、SNSやニュースの問題点の1つです。
ほとんどのニュースはあなたと無関係
あなたはニュースを見て、よい決断を下すのに役立ったことはあるでしょうか?
【主なニュースの内容】
・凶悪犯罪
・政治の話
・事故の話
・災害の話
・芸能、エンタメ
・スポーツ
・芸能人の不倫
…など
9割の事は、あなたとは無関係です。
【ニュースは民主主義に必要か?】
・ニュースは民主主義を維持するために必要と思われてる
・が、意見の形成にニュースが必要という考え方が間違っている
・法案を比較できる形で置けばいい
・理想は、法案の賛否両方の主張と要点が記された紙を配り、それを見て決める事
・ニュースを辞めた得た時間で、考える
多くの場合、ニュースは政治のスキャンダラスや失策を報じます。
それは、ネガティビティバイアスで視聴率を稼げるからです。
あなたにとって、本当に大事な事はニュースには出ません。
友人の話、家族の話、近所の話、貴方の健康状態の話…など。
これが、SNSやニュースの問題点の1つです。
フェイクニュースの登場
写真合成や悪意のある切り取りで嘘のニュースが生成されるようになりました。
また、AIの発展で存在しない画像や文字を生成できるようになりました。
【フェイクニュースとAIの可能性】
・画像や文字が自動生成される
・人の手でフェイクニュースを作らなくて良くなる
・コンピュータープログラムだけになれば、道徳意識は無くなる
・道徳意識との闘いが終わる
・真実は二の次で、ただ注意を奪い取るだけのガラクタが量産される
今も、何が真実か分からず、有益な情報を見つけづらい傾向が出ています。
これが、より強まると考えられます。
これが、SNSやニュースの問題点の1つです。
デジタル中毒の悪影響
ニュース、SNSチェック、通知などは人の能力を下げます。
【デジタル中毒による能力低下】
・休憩と思って、SNSやニュースをだらだら見てしまう
・体は休まっているが、脳は休まらない
・脳が過労の状態になる
・脳の疲れから、集中力や意力が削られていく
・集中できていても、通知などで注意が飛ぶ
・結果、人の出せる能力が下がる
現代では、スマホ疲れ、SNS疲れ、スマホ鬱、Instagram鬱といった言葉がでてきてます。
このように、人を疲弊させる力がある。
これが、SNSやニュースの問題点の1つです。
マルチタスクによる能力低下
人はマルチタスクが苦手な生き物です。
できてるように見えるのは、2つの処理を交互に切り替えてるからです。
この処理が、脳を疲れさせます。
【マルチタスクによる能力低下】
・マルチタスクは報酬を感じさせるドーパミンが出る
・人は作業しながら、YoutubeやSNSを流し見してしまう
・しかし、実際の作業効率は落ちている
・生産性は下がり、脳は必要以上に疲れる
・仕事が終わらない → 時間が無いというストレスになる
・脳過労による悪影響が出る
これが、SNSやニュースの問題点の1つです。
短いコンテンツしか消費できなくなる
脳は特定の作業を繰り返し行うと、その配線を強化させます。
【ニュースやSNSによる脳の構造変化】
→ SNSやニュースは短いモノが増えてきている
→ 短くなったのは、現代人が集中力を失ったのと、記事の製造コストが安いため
→ それを消費し続けると、短いモノを消費するように脳を訓練させてしまう
→ 訓練の結果、長いコンテンツを消費する力が弱まる
→ 映画、音楽、読書、ドラマなどが見れなくなる
→ ニュースやSNSしか楽しめなくなっていく
ガラクタを摂取し続けると、ガラクタを消費するように脳の構造が変わる。
これが、SNSやニュースの問題点の1つです。
以上が、情報断食やニュースダイエットが必要な理由。
デジタルミニマリストが注目されてる理由になります。
情報過多への対処法
捨てる、競争から下りる
今の社会は、ごく一部の勝者と、それ以外の大多数を不幸にする仕組みで成り立ってます。
ごく一部の勝者も、その座を守るための努力で幸せと呼べるかは疑問が残る状況です。
このようなモノには、距離を置く。
捨て、競争から下りるのが理想的。
【距離の置き方】
・SNSやニュースを見るのをやめる
・通知を全てオフにする
・情報源を本や時間がかかるモノにする
・自分のできる事に集中する
・個人の幸せを追求する
古代哲学、エピクロス派の生き方が参考になると思います。
【エピクロス派の概要】
・心の平穏を追求する生き方を目指した思想
・「隠れて生きよ」で言葉
・政治や社会などの心の平安を乱すものから隠れる
・質素な生活で、心の静けさを追求する
・この静けさを、エピクロス派は「アタラクシア」と言う
・アタラクシアは「快楽」と翻訳され、日本では快楽主義と呼ばれる
・「快楽主義」という言葉のインパクトが大きく誤解されることが多い
心の落ち着き、内なる砦や守る。
心の平穏を乱すものから距離を置く。
これも情報過多への対処法の1つです。
他にやる事リストを作る
暇な時間や孤独感は苦痛を感じさせます。
そして、現実逃避のためにニュースSNSを見てしまいます。
そこで、ニュースやSNSを見てしまいそうな場合、ほかにやる事を事前に決めます。
【他にやる事の例】
・運動をする(その場でスクワットなど)
・本を読む(事前にタイトルを決めておく)
・何かしらの作業、副業をする
…など
何しようという”迷い”が減る分、ニュースやSNSを避けやすくなります。
これも情報過多への対処法の1つです。
能力の輪に目を向ける
能力の輪とは、自分が影響を及ぼせる範囲の事です。
ニュースやSNSを見てしまった場合、それが「自分の輪」の外と内どちらにあるか検討します。
【能力の輪という指標】
・多くの場合、能力の輪の外にある出来事です
・能力の輪の外は、悩んだり考えても仕方ないです
・能力の輪の内にある場合は「行動」して影響を与えてください
・スキルがあっても行動する時間が無いと、それは能力の輪の外の出来事になります
能力の輪に着目すると、不要な情報を判断できるようになります。
これも情報過多への対処法の1つです。
閲覧に一手間かかるようにする
わざとスマホやニュースを見るのに、一手間がかかるようにします。
20秒以上稼げることが理想です。
【スマホやニュースに距離を設ける】
・スマホを手の届くところに置かない
・別の部屋に置いく
・ニュースサイトは「このサイトをブロックする」などを使いブロック
…など
20秒以上手間がかかる事は、無意識的に避けたり先延ばしするようになります。
また、好ましい習慣の手間を減らすのも有効です。
理想は20秒以下にする事
【好ましい習慣を近づける】
・作業道具を出たままにする
・必要なサイトをブックマークに入れておく
・PCを立ち上げた瞬間、作業ファイルが立ち上がる設定にする
…など
これは「幸福優位性 – 7つの法則」で20秒ルールという名前で紹介されていた方法です。
これも情報過多への対処法の1つです。
時間的な制限を設ける
もし、仕事でニュースやSNSを見る必要がある場合。
もしくはどうしても見たい場合は「制限」を設けます。
【制限の具体例】
・1日1時間だけと決める
・〇〇が終わってから使うと決める
・17:00時に1回使うと決める
…など
依存性のある娯楽との付き合い方が上手い方は、制限との付き合い方が上手い傾向にあります。
逆に苦手だと、なにかしらの破綻を迎えるまで消費してしまいます。
これも情報過多への対処法の1つです。
セロトニンを増やす
セロトニンは精神や感情を安定化させる脳内物質です。
これを増やすと、ニュースやSNSを見たいという情動を抑えれます。
【セロトニンの増やし方】
・朝日を浴びる
・運動する(リズム運動)
・よく噛んで食べる(咀嚼によるリズム運動)
・瞑想する(呼吸に意識を向けて、呼吸をリズム運動化)
・セロトニンが増える系の薬を使う(抗うつ薬、SSIR、セントジョーンズワートなど)
これも情報過多への対処法の1つです。
主体性を持って”探す”事が重要
SNS、ニュースが全て悪なのかと言えばそれは「NO」です。
有益なモノ、知識を広げるものもあります。
大切なのは「主体性を持って探す」事です。
【主体性を持って探す例】
・Google、TikTok、Twitterの検索を使って見る
・情報はアウトプットすることを前提に探す
・自分の能力の輪の中の事、広げる事を調べる
こちらは、大丈夫です。
【主体性の無い、見させられている例】
・テレビの情報
・TikTokやTwitterでなんとなくスクロールして流れてくる情報
・ニュースが流れてくるサイト
・Youtubeのおすすめで上がってくる動画
こちらは、有害になる可能性があるので避けた方が良いです。
まとめ
今回は情報断食ニュースダイエットの必要性についてまとめました。
・多すぎる情報は幸福度を下げる
・SNSは自分と関係が無い、全世界の人を比較相手にする
・人がネガティブな情報に注目する性質がある
・結果、ニュースやSNSはネガティブな情報が増える
・より、人を病ませる
・ほとんどのニュースや情報はあなたが影響を与えられる範囲の外にある
・他にも様々な悪影響をある
・対処法はそれらから距離を置く事
・自分の能力の輪を意識し、自分にとって価値がある情報だけを集めるようにする
また、ほかにも生き方についてまとめてます。
ぜひ、こちらもご覧ください。
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