【音楽】効果音の作り方【サウンドエフェクト、SE,録音,シンセ】

音楽
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はじめに

今回は効果音の作り方についてまとめます。

効果音について

◆効果音の種類
・現実世界にある音の再現
・現実世界にない音の再現

現実世界にある音
・馬が走る音
・何かが爆発する音
・布がこすれる音 …など

現実世界にない音
・アプリの通知音
・ゲームの魔法系のSE
・パチンコの効果音 …など

◆効果音製作のアプローチ
・マイクで音を録音する
・シンセサイザーで作る
・素材集を買う

素材集を買う

ある意味「素材集を買う」は一番の最適解です。

◆特徴
素早く、それっぽい音がゲットできる。
ただし… 「こだわれない」のが難点。

◆メリット
・自分の環境で出せない音を使える
・何万もするレコーディング機材を揃えなくていい
・シンセサイザーの学習コストを買わなくていい

◆デメリット
・素材集を買うお金がかかる
・販売されてる音しか使えない
・他のコンテンツと音が被るリスクがある
・作品の質は素材集制作者の技術次第になる
・素材の利用規約確認が面倒(クレジット表記やR-18禁止の確認など)

例えば… 戦闘機のエンジン音、銃関係の音。
これらは、本物の音を収録するか、レコーディングスタジオで近い音を収録するのが理想。
…が、日本に住む一般人は音を出して収録する環境が無い。

↓のようなスタジオを借りたりお願いする予算も無い。

ゲームの効果音職人、全身全霊を捧げる創作の場 | Obsessed
「効果音への深い愛を世の人々に伝えたい」...

そこで、素材集の出番です。

HOLLYWOOD EDGE」はお高いですが、質のいい素材が入ってます。
動物の鳴き声なら「HD ANIMALS BIRDS」など。(こちらもお高い系)
動物の鳴き声は無料の素材もありますが音の質が違う…。
(同人ゲームなら無料の音もアリ)

ななひらさんの声なら「KAWAII VOICE VOL.1」など。

このような、自宅の収録環境やシンセの再現が難しい音は買うのが正解です。

「可愛い女の子の声」は男性の場合ほぼ出せない。
両声類になるための喉から血のにじむような努力が必要。
また、女性でも音質の違いがある。
「その声優さん」の声を出すのは難しい。

このような「声モノ」や「リアル系のモノ」は素材を買うのがおすすめ。

素材集の音を組み合わせる

既存の効果音の組み合わせる事で、
表現の変化を付け加えることができます。

…いろいろ気にしない方は何も考えず2つや3つの音を重ねてください。
気にする方は、こちらをご覧ください。

【音楽】ミキシングのやり方【音を混ぜる】
ミキシングの基本は音量調整です。DTMの0dBはPCが扱える最大音量の1倍を意味します。0dBギリギリの音を2つ鳴らすと加算されて音割れします。なのでdBを下げて音量の振り分けを調整します。他にも、音の広がり、EQ、コンプなどで音を調整します。

予算があるなら発注を考える

発注も「素材集を買う」の1つです。
予算があれば、お金をかけて人にお願いします。

ボーカル系の歌モノ、同人音声、ハリウッド系の映画など…。

時間や、技術や、物理的な制約がある場合におすすめ。
個人間のやり取りでよければ、SKIMAやCoconaraを使用して発注。

SKIMA / 音楽・BGM・ナレーション
Coconara / 音楽・ナレーション発注

ただ、クラウドワークス系、安受け多い多く、
相手側も仲介手数料を取られてるので…
理想は信頼できる相手にDMして直接発注。

個人発注は余計なコミュニケーションコストがかかるリスクがある。
色々考えた結果…。

・ナレーション → 自分で読む or VOICEVOXなどの合成音声を使う
・歌素材 → ボカロ系技術(Synthesizer Ⅴなど)を使う
・同人向けの女性声のSE → 素材を無料配布してるサイトがある(えちおと、など)
・いろんなSE → 作れるものは自作、足りないモノだけ素材を使う

これが、個人的に一番安くクォリティが高い物になる。
なので個人相手に発注する意味はあまりない。

“その人”“そのスタジオ”というどうしてもこの相手」と決まってる場合のみ発注。

というわけで、その道の一流の人に発注できるほど予算が無い。
既存の音素材は合わなかった。

もしくは、シンセや音作りを学びたい人向けに効果音を作っていきます。

マイクで録音する

必要な音をマイクで収録する方法。
もっとも一般的なアプローチ。

◆特徴
現実世界にある音のSE製作が得意。
やり方次第で、現実世界にない音も作れる。
収録用の機材、出来ればスタジオもセットで必要。

◆メリット
・最も自然な音を目指せる
・波形が複雑な音が作りやすい

◆デメリット
・機材をそろえるお金が非常にかかる
・音の質が機材に左右される
・音を出すためのモノが必要

めちゃくちゃお金がかかります。
低予算であれば、素材の購入orシンセサイザーを使う方法がおすすめ。

ゲームの効果音職人、全身全霊を捧げる創作の場 | Obsessed
「効果音への深い愛を世の人々に伝えたい」...

録音の機材について

録音の方法は主に2つ
・家で収録
・屋外で収録
この2つに分けてみていきます。

…ここから、入門機で1機材2~3万の闇が広がっていきます。
沼から引き返すなら、今のうちです。

宅録の機材

家で収録することを「宅録」と言います。
宅録に必要な機材は下記。
・部屋
・パソコン
・マイク
・オーディオインターフェース

◆部屋について
できればスタジオが理想。
一般家庭でも、カーテンを閉めるだけで音が変わる。

◆パソコン
・普通のパソコンがあればいい
・録音用のソフトが必要(任意のDAWなど)

◆マイク
・基本はコンデンサーマイクを選ぶ
・コンデンサーマイクは繊細な音が取れる、
・コンデンサーマイクのデメリットは、48v電源必要+衝撃に弱い事
・ダイナミックマイクは主にライブ向け(宅録には使わない)

◆オーディオインターフェース
・マイクの音をPCに入れるためのツール
・コンデンサーマイクを動かすために必要(+48v電源)
・PCから出る音も少し綺麗になる

◆ヘッドフォン
・音を確認するために必要
・イヤホンよりはヘッドフォンの方が確認しやすい

マイクは基本、単一指向性のコンデンサーマイクを選びます。
具体的には下記のようなマイク。

そして、マイクの音を拾いPCに入れるオーディオインターフェースを用意します。
主流はYAMAHAですが… 最近SSLがオーディオインターフェースを出したのでこちらもおすすめ。
(SSL = 音楽系の音が良いブランドモノのような立ち位置(ルイヴィトンみたいなものを思ってください))

あとは、マイクを支える土台やマイクとオーディオインターフェースをつなぐ線が必要。
※選んだマイクによっては付属する事があります。

また、オーディオインターフェースの音をヘッドホンに飛ばす配線も必要になることがあります。

お分かりいただけただろうか…。
この時点で3~5万が飛んでいることを。

そして、HOLLYWOOD EDGEのようなプロ向け素材集はもっと高い機材を使っています。
・音響用の専用スタジオ
・10万ぐらいするマイクなどの機材費
・音を出すための素材の用意
・収録の手間費
・制作者の経験やスキル …など
…そしてあの値段になります。

ちなみに私は…
Singさんの記事を見て改造したコンデンサーマイク
・Yamaha AG06
を使ってます。

ただ、マイク改造は内部の回路が変わっていて、
第3編の「コンデンサ交換」だけやってません。

あと、何回か落としたりして壊れてる説ある…。

フィールドレコーディングの機材

屋外で録音することを「フィールドレコーディング」と言います。
録音機材は主に下記の2つ

・iPhoneをマイク化
・専用レコーダー

iPhoneをマイク化する場合、このような機材が有ります。

専用レコーダーはこのようなモノがあります。

また、このようなオーディオインターフェースの機能を持ったレコーダーもあります。
これは、下の方にXLR端子があり、コンデンサーマイクを刺して使えます。
さらにPCに繋いで音を出す事もできます。

さらに、Zoom 6Hになると、マイクの先を付け替えることができます。

本体3万、付け替え先1万~2万の非常に沼な機材ですが…。
付け替え方式は何かと便利。

今の私が買うなら

音関係は思わぬ落とし穴が各所にあります。
必ず、詳しい方に聞いてから買った方が良いです。

その上で、あまり詳しくない私が買うならこの組み合わせが良いと思ったものをまとめます。

◆もし何も持って無い状態なら
・マイク:予算に合わせた適当なコンデンサーマイク or H6のガンマイクパーツ
・オーディオインターフェース:Zoom H6 か SSL 2
・フィールドレコーディング:Zoom H6

【説明】
オーディオインターフェースを買わない。
その分、浮いた予算でZoom H6を買う。
マイクをインターフェースが合わさってるのでモノを減らせる。
机の上のスペースが空く。(ここ重要)
フィールドレコーディングはH6を使う。
宅録用にコンデンサーマイクを買う。
コンデンサーマイクをピンポイント収録用に使う。
Zoom 6Hのマイクは空間の音を取るのに使う(屋内/屋外ともに使用)
屋外でピンポイントの音が欲しいならガンマイクパーツを買う。
モノを増やしたくないならコンデンサーマイクを買わない。
コンデンサーマイクの代わりに家でもガンマイクパーツを使う。

その気になれば「H6」1つで完結できるのが強み。
ただ、オーディオインターフェースとして使うと…
屋外に持ち出す際に、1回1回線を抜く必要があって手間なのがデメリット。
しっかりしたオーディオインターフェースを使いたいなら「SSL 2」を購入。

実はZoom H6。
大学時代に借りれたので使ってました。

分からないなりにも、音が綺麗で
これ1つでいろいろできる良い機材と思ってました。

◆今の私が機材を買うなら
・マイク:Singさん記事の改造コンデンサーマイク(既に持ってる)
・オーディオインターフェース:Yamaha AG06(既に持ってる)
・フィールドレコーディング:SHURE MV88 か Zoom 6H

コンデンサーマイクとインターフェースは持っている。
フィールドレコーディングの機材が無い状態です。
この場合、私ならiPhoneをレコーダ化できる「SHURE MV88+」が第一候補。
一番の理由は、坂本龍一さん好きで使ってた機材だから。
ただ、MV88+とH6の価格差6000円ぐらい。
だったら… Zoom 6Hを持ってもいいかなという思いもあり。

正直、このあたりは運用スタイルや考え方で正解が変わってくる…。

MV 88+は坂本さんが「async」使ってました。
(推してるのはそれだけの理由です)

普通に考えれば、3万円代であればH6や他のマイクでもいいかなと思います。

正直、私はフィールレコーディング詳しくないので…
やる方はちゃんと詳しい方に聞いてほしい。

音楽系の機材、謎の落とし穴が多数あるから…。

確認用ヘッドフォンについて

大富豪やこだわりたい方は「MDR-CD900ST」を買う時かもしれません。
このヘッドフォンは「聴診器のような」特性を持ったヘッドホン。
音を”拾う”のが得意です。

ただ、DAW、作曲に使うには音の表現が弱いというデメリットがあります。
家庭用、個人開発向けでは無い。
録音専用のプロの人、週に1回は録音するような人、金と部屋のスペースが余ってる人向け。

個人的には、DAWや作曲などの音を”聞く”に特化したHPH-MT8などを買う。
それを何とかレコーディング用のヘットフォンとして使うのが良いと思います。

このあたりのお話はこちらで解説。

この記事を見ると、
私が言っている謎の落とし穴の一例を知れます。

以上が簡単な機材の説明です。
次は録音して音を作るアプローチを紹介します。

現実世界にある音の再現

まず、可能であればできるだけ静かな家に引っ越します。
お金と部屋のスペースに余裕がある方は防音材の商品を買います。

◆防音材について
・防音材 = 「吸音材」と「遮音材」がセットになったもの
・吸音材 = 音の大きさを下げるモノ
・遮音材 = 周りの音を遮る物

遮音材で外の音を遮断。
その内側に吸音材を配置して、反響を抑えたものが防音材です。

これを買わなくても、部屋のカーテンを閉めるなどで音は変ります。
このように、出来る限り環境を整えた状態でマイクを使って欲しい音を録音します。

マイクには円形の芯のような部分があります。
そこに向かって音を鳴らします。
ちょうど、この商品写真が分かりやすいです。

この円に向かって声を当てるように意識します。
声を想定した調整はこちらで解説。

あとは… 布の擦れる音であれば服を擦って収録。
コップに水を注ぐ音であれば、コップに水を注いで収録。

それだけです。

本来とは違う音で現実世界の音を再現

現実世界にある音すべて、用意できるとは限りません。
例えば骨折する音や頭がはじけ飛ぶ音など。

存在はしますが… 出せないモノもあります。
こうしたものは、似た音が出るものを代用して鳴らすアプローチをします。

具体的には下記。

・骨折の音 → 小松菜などの野菜を折る
・頭のはじける音 → メロンなどをたたき割る
・雪を踏む音 → 炭の上を歩く
・雷の音 → サンダードラムを使う
・剣のぶつかる音 → 音が響きやすい金属板をぶつける

効果音界隈にはこのような独自のテクニックがあります。
これらの既存のノウハウは効果音製作のインタビュー動画などを見ると学べます。

ただ、自分でオリジナルの効果音を作る場合は、自分で思ってるような音が出るものは無いかと探すアプローチになります。

現実世界にない音の再現

これは録音向きではありません。
が、工夫すれアプリの通知音やマウスのクリック音などのゲーム素材のような音が作れない事も無いです。

ひたすら、良い音が鳴りそうなものを探して近い音を探すアプローチになります。

例えば、ムックリといった民族楽器や金属製のモノサシを震わして使う。

震える系の素材が比較的作りやすい印象。
(おそらく、シンセサイザーのオシレーター変わり)

人間が音のモノマネをやるようなのも1つのアプローチとしてアリ。
ただ、現実世界にない音はシンセサイザーで作る事をおすすめ。

シンセサイザーで作る

シンセサイザーとは音を作り出す計算装置です。

◆特徴
現実世界にない音のSE製作が得意。
やり方次第で、現実世界に近い音も作れる。(品質は劣る)
収録用の機材、出来ればスタジオもセットで必要。

◆メリット
・最も自然な音を目指せる
・波形が複雑な音が作りやすい

◆デメリット
・機材をそろえるお金が非常にかかる
・音の質が機材に左右される
・音を出すためのモノが必要

これを使う事で、効果音が作れます。
簡単な音であれば、無料シンセの「Synth1」で十分再現できます。

大事なのは、高いシンセを買う事より、仕組みを理解して使う事です。

ある程度慣れてきて、もしこれから有料のシンセを買おうと思ったのならSERUMがおすすめ。

効果音の歴史をたどるなら、1970年代にガンダムやスターウォーズの効果音に使われたシンセはARP 2600。

こちらも名機として有名。
ソフトでの再現シンセが出てます。
シンセ効果音の歴史を感じたい方は、こちらもおすすめ。

ARP2600 V
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CA2600 Synthesizer
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このあたりのシンセサイザー選びはこちらで解説。

【音楽】初心者の時に知りたかったシンセサイザーの選び方【モノ,ポリ,ビンテージ】
注意点は「同じ処理でもそれぞれ違う音が出る事」です。なのでシンセ選びが重要。お金をかければいい音が出るわけではありません。思った音を出すには、その思った音について掘り下げる事。掘り下げ方は歴史を調べたり、参考にしてる人の使用シンセを調べる。記事では他の注意点などを解説。

正直、中の処理はどれもほぼ同じです。
微妙に音のなり方が変わるぐらいの違いです。

初心者の方は無料の「Synth1」で十分。

現実世界にある音の再現

シンセを使って、現実世界の音を再現するアプローチです。
例えば鳥の鳴き声が作れます。

ドラム系の音もシンセから作れます。

◆シンセで作る実在する音へのアプローチ
・FLOで細かくピッチを変える → 波形調整 = 鳥の鳴き声っぽくなる
・ノイズを鳴らす → ADSRで鳴る時間を制限する = ドラムっぽい音になる
…など

1970年代に登場したARP 2600を再現したシンセでも似た事はできます。
こっちの方が鳥っぽい音になりました。(たぶん、私の慣れの問題)

以上が、現実世界にある音の再現するアプローチです。

現実世界にない音の再現

シンセは現実世界に無い音を作れます。
というより、こっちがメインです。

例えば、ゲームのボタンの決定音、エフェクトの音、パチンコの効果音…など。

シンセサイザーを使いこなせれば、いろんな音が出ます。
コツはLFOを上手く使う事です。

◆シンセで作る実在しない音へのアプローチ
・LFOでピッチを変えると、一気にSEっぽい音が出る
・ADSRで音の始まり~終わりの形をデザインする
・波形を変える事で音のイメージを作れる

◆波形による印象
・三角とノコギリ → 強い音、RPGゲームの戦闘効果音っぽい(コウモリの攻撃とか)
・矩形波 → ピコピコ感、昔のゲームっぽい音が出る
・Sin波 → 柔らかい音、同人ゲーに使えそう

あとは、ひたすらシンセを触って試行錯誤します。
触っていくうちに使い方は覚えます。

いろんな音を出そうとして、出せる音と出せない音の違いを学びます。
以上が、現実世界にない音の再現するアプローチです。

正直… 慣れと直感で触ってるから上手く解説できない。

「波形」「ローパスフィルタとレゾナンス」「ADSRの操作」「FLO」
この4つが大事。

まとめ

今回は効果音の作り方を紹介しました。

・効果音は現実世界に「ある音」と「ない音」の2つがある
・現実世界にある物は録音アプローチが有効
・現実世界にない物はシンセで作るアプローチが有効
・急ぎでほしいなら、素材集を買う選択肢もアリ

また、他にも音楽関係の事を紹介してます。

ぜひ、こちらもご覧ください。

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