はじめに
今回はMODO DRUMの使い方を紹介します。
これは、IK Multimediaが出してる「物理モデリング」のドラム音源です。
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また、Modo Maxを買うと「Bass」と「Drum」の2つのシリーズを同時に買えます。
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物理モデリング = 音が出るまでの挙動を数式で表現して音を出す方法
こんな感じの音が出ます。
・シンプル、素直な音
・生音っぽさやきらびやかさは無い
・皮モノ系の音が良い
・金物系の音はやや不自然
※ちなみに、金物はサンプリング音源になります。
基本操作
右下で画面を拡大縮小できます。
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MODELの中から13種類のドラムセットを選べます。
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IK PRODUCT MANAGERの「Sounds」より、ドラムのセットをDLできます。
※1つ2~3GBぐらいあります。
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13×2~3GB ≒ 30GB。
物理モデリングのメリットの一つ、
容量が少なさは無いですね…。
まだ、左上からも複数のドラムプリセットを読み込めます。
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ドラムの音は下の再生ボタンで聞けます。
矢印でパターンの切り替え。
円形の矢印で”切り換え”のパターンの切り替え。
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円形の矢印を無効化すると、切り替えで再生位置が初期化されます。
円形の矢印を有効化すると、切り替えで再生位置が初期化されません。
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以上が基本操作です。
リズムパターンの使用
GROOVESにリズムパターンがあります。
ジャンルや長さなどを設定して選べます。
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さらに、ここの素材はドラッグ&ドロップでDAWに読み込めます。
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以上が、リズムパターンの使用です。
ドラムのカスタマイズ
「CUSTOMIZE」でドラムセットを個別に設定できます。
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「EDIT KIT」を押すと他のセットを足す事ができます。
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「MAPPING」で、どのMIDIキーにドラムが割り当てられてるかを確認できます。
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スネアやタムには「L」と「R」という表記があります。
これは、右手で叩くか、左手で叩くかの違いです。
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CUSTOMIZEに戻り、編集したい部品を選択。
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画面右上「EDIT ELEMENT」を選択。
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すると、材質、径、奥行きなどを編集できます。
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「PLAY STILE」を選択。
すると、Kickの材質や踏み方を調整できます。
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また、ここのSnareやToumに切り替えると、バチの形状。
右手と左手の叩く位置の挙動を変えれます。
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以上が、ドラムのカスタマイズです。
ミキサー・エフェクト類
「ROOM」で部屋の環境を設定できます。
ROOMリバーブです。
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「MIXER」を押すと内蔵されたミキサーが出てきます。
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右下の「PERSPECTIVE」は聴く人の視点です。
・ドラマー
・オーディエンス
基本は「オーディエンス」で、聴く側の人を選ぶので良いと思います。
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一番上でイコライザーの設定が可能。
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EQは最大8つの制御点と、5つの形を扱えます。
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さらに、AUDIO FXでエフェクトを足せます。
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コンプレッサーとリバーブ系以外は何とかなると思うので、そこだけ解説します。
・COMPRESSOR = 普通のソフトコンプ
・COMP 2A = Opt、工学系コンプレッサー(ぼんやりとかかる)
・COMP 76 = FET系コンプレッサー(強い系の色付けが入る)
・SL COMP = VCA系コンプ、おそらくSSLの再現(ちょっと色付けされる)
・Gate = 一定音量より小さい音をカットする処理(コンプとは別)
・Plate Reverb = 滑らかなリバーブ
・Room Reverb = 狭い空間用
・Inverse Reverb = 80年代ロックドラム風
・Hall Reverb = 広い空間用
・Delay = 普通の遅延処理
・Tape Delay = テープのような色付けが入った遅延処理
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コンプレッサーとリバーブ以外何とかなるというより、
EQ、コンプレッサー、リバーブぐらいしか使わないという印象。
他のは、音作りや色付け用なので…
機能を覚えるより、ガチャで試行錯誤する流れ。
コンプレッサーの詳細はこちらで解説。
エフェクトは最大4つまで足せます。
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またAbletonのAとBトラックのような機能もあります。
ここで、2種類のFXが送られてる事を確認できます。
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さらに、OH / ROOMにすると反響音を確認できます。
・OH = ドラム中心頭上、オーバーヘッドの音
・ROOM = 空間の音
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OH / ROOM と FXのAとBの合計4つが刺さってるようです。
あとは、普通のミキサーです。
音量、PAN、ミュート、ソロ、位相反転などの機能があります。
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以上が、ミキサー・エフェクト類です。
その他の操作
その他の操作は下記。
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歯車ボタンを押すと、全体の明るさや音の保存先フォルダを確認できます。
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以上が、その他の操作です。
オートメーションについて
Abltonのオートメーション非対応のようです。
Abletonで、Configureを押しても何も出ません。
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Abletonがダメなら、Voltageだ… と思ったけど、こちらも変化なし。
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LFO刺してスネアの叩く位置を周期的に変化させながら、曲の展開に合わせて集弾率を変えたかったですが…残念。
レビュー
正直、悪くはない。
ただ、改善の余地は感じる。
β版のオンラインゲームをプレイした時のような感じ。
◆良かった所
・IK Multimedia系のエフェクトが使える
・76系コンプが付属されてる
・Inverse Reverbが付属されてる
・皮モノの音が良い
Inverse Reverbは、IK Multimedia特融のモノでこれ単体で49$ぐらいで売られています。
76系コンプは興味があるものの、ドラムぐらいにしか使わない…。
76系コンプ単体を1~2万で買うのも… と思ってたので丁度よかったです。
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◆悪かった所
・やや重い
・物理モデリング感はない
・生音ドラムには及ばない
・金モノの音がやや違和感
・オートメーション非対応
CPU負荷は1つ立ち上げで10%ぐらい行きます。
(CPUは、AMD Ryzen 7 3700X BOX)
また、13個のドラム音源が1つ2~3GBぐらいあります。
物理モデリングのHDD容量節約的な効果はないです。
◆総評
使い込むまでは”すごい”と期待してた。
物理モデリングの可能性に期待をしていた。
が… 実際に作曲で使うと「う~ん…」と思った。
・思ったより手間
・音的には… 悪くはないが普通
・金物の音が変
・作り込みが魅力なのに、オートメーション非対応
・ドラム音源は他に良いのが出て、定番化してる
実際の作曲で、ドラム音源に求められる事の一つは「手間の少なさ」なので…
その点では失敗している。
さらに、物理モデリングは作り込みが魅力でありながら、オートメーションが使えないという罠。
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Modo Baseとのセット売り50%オフセールで買いました。
私はベロシティーレイヤーの切り替わりが気になる人で、
Modo Bassが定番化してるなら、Drumも良い物だろうと思って買いましたが…
もっとちゃんと調べればよかったな、という印象。
他の人の、参考になったレビュー記事。
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この人の「活用方法」とほぼ同じ結論。
ドラムの音のサンプル製造機。
ちょっと変わったドラム音を作り、部分取りして使うのが良さそう。
生のドラム音源として買うなら「EZ DRUMMER3」や「BFD3」や「Addictive Drums」あたりが良かったかなと思います。
(読み込んですぐ使える、定番化してる、良い音)
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Modo Baseとのセット売り50%オフセールで買いました。
私はベロシティーレイヤーの切り替わりが気になる人で、
Modo Bassが定番化してるなら、Drumも良い物だろうと思って買いましたが…
うーん・・・ 微妙にかゆい所に手が届かない。
非常に惜しい仕上がり。
もっとちゃんと調べればよかったな、という印象。
あとは、ドラムマシーンなら…
808系や909系ならRolandが公式再現を出してます。
おそらく、お金を使うなら、
下記の組み合わせが良いと思います。
◆生音ドラム系
・EZ DRUMMER3
(簡単にいい音が出せる、安い、ただプリセット的にジャンルを網羅できない=拡張音源を買う形)
・Addictive Drums
(安い、簡単、初心者向け)
・BFD3
(生音的に最強、だが扱いにくく、操作性や重さで悪評アリ、やや古い音源、音が良い以外に良いうわさを聞かない)
・Superior drummer 3
(音が良い、操作性も悪くない、値段が高い、容量がヤバい235GB)
◆ドラムマシーン系
・Roland公式TR系ドラム
◆個性を演出したい
・MODO DRUMを部分的に使う
色々改善されて「MODO DRUM 3.0」あたりのバージョンが出ると…
とても良くなりそうな、“可能性は感じた”ので今後に期待。
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やっぱり、定番化するには、定番化するなりの理由がある。
定番化しないモノには、しないなりの理由がある。
そして、DTM系は定番を使うのが正解になっていく。
他のレビュー記事も、★2.5や★3.0が多い。
正直、このぐらいが妥当な所だと思う。
このあたりのレビューを見て、改善が行われれば化ける可能性があるが…。
私はBFD3へと、旅だった。
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確かに、BFD3は音が良い。
ただ、MODOドラムのように音がバラけてほしい…
76コンプもミキサーで刺したいし、スネアの集弾率も調整したい。
うーん…
そして、考えた事が「MODO DRUM」と「BFD 3」の併用という変態的発想。
これが、今の私の現時点の答え。
まとめ
今回はMODO DRUMv1.5の使い方+レビューを紹介しました。
・物理モデリングを使用したドラム音源
・音源データは1つ2~3GB×13個あり、容量は食う
・皮系の音が良い
・金属系の音に違和感がある
・個性的な音を部分的に使いたい場合に良い
・ドラム音源として初手で買うにはおすすめしない
また、他にも音楽について解説してます。
ぜひ、こちらもご覧ください。
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