はじめに
今回は学習性無力感の解説と対処法を紹介します。
学習性無力感とは
自分は何をやっても無駄感覚です。
人やあらゆる生物は無力感を体験によって学習します。
『自分でコントロールできない』『強いストレス』
この2つの状況が揃うと人は無力感を学習し他の事にもあてはめます。(過剰学習)
結果、何をやっても無駄と自分の意志で抜け出せる状況でもあきらめて耐えるようになります。
放置すると無力感の循環し悲観主義やうつになります。
学習性無力感の克服
無力感に対する“再学習”を行うと改善します。
『自分は何をやっても無駄』の反対は『自分はやればできる』です。
・無駄という信念を変える → 認知行動療法
・ストレス要因を分けて自分ができる事をする → スモールステップの原理
・自分はできるのだと再学習する → 自己効力感の上昇
・自分以外の力でストレス要因から抜け出す → 人に助けてもらう
※スモールステップの原理は『元のストレス要因』と『自己コントロールの回復』ができます。
自己効力感の向上は『自己コントロールの回復』のみで、元の問題は解決しません。
認知行動療法
認知療法は偏った認知を修正して柔軟な考え方が出来るよう行動する方法です。
本来は担当医が居てやる事ですが… 個人でもできることがあります。
偏った認知の修正方法
1,今あなたが『何をやっても無駄』と考えたことを書き出して記録する
2,下記の認知の歪み10パターンに照らし合わせて、本当に無駄か考える。
・白黒思考(0か1がで考えてないか?)
・過度な一般化(これまでこうだったから、これからもこうだと考えてないか?)
・心のフィルター(1つのネガティブに注目して、他のいい事を無視してないか?)
・マイナス思考(本当はマイナスでない出来事をマイナスに考えてないか?)
・結論の飛躍(根拠の無しの悲観的結論を出してないか?)
・誇大視と過小評価(短所を過大評価して、長所を過小評価してないか?)
・感情的決めつけ(自分の感情を根拠に物事をきめてないか?)
・べき思考(~すべき、~すべきでないと考えてないか?)
・レッテル張り(極端な決めつけや偏見を確信し、自分は〇〇だと思ってないか?)
・自己関連付け(自分に責任が無い事でも自分のせいにしていないか?)
スモールステップの原理
強いすぎる課題やストレスは理性を感情が乗っ取り身動きができなくなります。
『呆然と立ち尽くす』状態です。
これへの対処法が、自分ができる小さなことに取り組む事。
この大きなストレスを分けて小さくし、1つ1つできる事から改善します。
実践方法
『書き出す』 → 『分類分け』 → 『もっとも小さなことから改善』です。
1,感じているストレスや無力感を書き出して言葉で表現。(箇条書きが理想)
2,書き出したものを『自分がコントロールできる事』と『できない事』の2つに分ける。
3,自分がコントロールできない事は諦める。(悩みを手放す)
4,自分がコントロールできる事を比較的簡単な物から1つずつ取り組む。
5,達成できる事の範囲を徐々に広げて行く。
これを行う過程で『自分はやればできる』という感覚を再学習できます。
大きなステップを踏もうとしない事
大きなステップから始めると、大きな失敗と挫折を味わいます。
結果、無力感が強化され、不快な思いだけが残ります。
(太った人がいきなりフルマラソンを走ると、疲れ果て、脚を悪くする。)
自己効力感の上昇
自分はできるのだと再学習する方法です。
具体的には下記のような方法があります。
・昨日しなかった事をする
・1年で自分ができる/できた事を50個以上書き出す
・自分が本当にやりたいことをやる
・自分の強みを発揮する
・些細な事を本気でやる(最も効果的)
・良好な人間関係を作る
・学習性無力感を知り対処する
この自己効力感は自己肯定感を構成する1つの要素です。
なので詳細はこちらで解説しています。
問題は解決しません。
が、『自分はやればできる』という感覚は上がります。
人に助けてもらう
自分以外の力でストレス要因から抜け出す方法です。
・あまりにも部屋が散らかってる場合は、家事代行や掃除サービスを呼ぶ。
・お金が無くてどうしようもない場合は、生活保護をもらう。
・心の調子が悪くてどうしようもない場合は、精神科に行く。
など…
『自分で人の手を借りると決断』して『強いストレスから抜け出せる事を再学習』します。
まとめ
今回は学習性無力感の克服法を紹介しました。
・克服するには”自分はやればできる”と再学習する
・認知行動療法、スモールステップ化が効果的
・自己効力感を上げる、人に助けてもらう方法もある
また、他にも生き方、幸福、人間心理の情報をこちらでまとめてます。
ぜひ、こちらもご覧ください。
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