【3DCG】VRChat向け衣装の作りやすいデザインについて

3DCG
スポンサーリンク

はじめに

今回は3DCG、とくにVRChatで作りやすい衣装デザインについて紹介します。
ある程度のキャラクターデザインができることを前提に進めます。

キャラクターデザインの作り方などはこちらをご覧ください。

デフォルメキャラ作成用素体|しぐにゃも|pixivFANBOX
ライセンス:CC0 1.0全世界 著作権なし・改変可・クレジット表記不要・商業利用可 どんな使い方をしてもかまいませんが、作者は一切の責任を負いません。 解説動画

一般的な突き抜け対策

説明用に、下図のような腕パーツを用意しました。

一般的な対策は、中にある素体のポリゴンを消します。

その上で、中の形状を閉じるように面貼り。

これが、一般的な突き抜け対策です。

VRChatの対策

VRChatの場合、中のポリゴンを消す代わりに補足するシェイプキーが入ってます。

が、着せ替えが面倒だったり、失敗するとホラーコンテンツになったりします。
そこで、中のメッシュは削除しない方向にすすみました。

その仕様に合わせた独自ノウハウができました。

◆独自的なノウハウの例

・素体のポリゴンにメッシュの流れを合わせる
・衣装デザインの時点で突き抜けが起こりにくいように工夫する

このような処理は、通常のモデルではあった方が良いですが…
中のメッシュを消して解決するのが一般的です。

なので、あまりVRChat以外で使われないノウハウです。

が、VRChat向けモデルを作るなら、それらを知らないと失敗します。
↓ 失敗談はこちらで紹介。

そこで、この記事ではVRChat向けのノウハウのうち、
とくに衣装デザインの突き抜け対策に特化したものを今回紹介します。

メッシュの流れやといった技術的な部分は、失敗談の記事で解説してます。

VRChat衣装の難所

VRChatの衣装で、問題になるのは主に関節です。
対策なしで動かすと、突き抜けます。

特に肩回りが危険。

◆肩回りで突き抜け問題が起こりやすい理由

・肩+腕のボーンの兼ね合い問題が起こる
・前後左右への可動範囲のかなり広い
・脇部分にメッシュが集まり、不自然な形になりやすい

なので、問題になりやすくなるべく避けるようにします。

突き抜けなくても、衣装が歪んだりします。
(Tポーズで作った場合、VRChatモデル以外でも起こる現象)

肩まわりには、何かメッシュが当たるのをなるべく避けましょう。

突き抜けにくい衣装デザイン

露出の多い衣装

一番突き抜けない衣装が「裸」です。
なので、裸に近い、布面積が小さいモノは突き抜けにくいです。
(水着・下着・エロ布など)

ズボンを長くしたり、ちゃんとしたシャツを着せればその分突き抜けポイントが増えます。

一番最初の衣装は露出が多いモノをおすすめします。

が、これぐらいは乗り越えられる範囲なので気にしなくて大丈夫です。

スカートよりズボン

スカートよりズボンの方が作りやすいです。

スカートにした場合、それ専用のボーンや突き抜け対策が必要になります。

ズボンだとこのようなノウハウが不要。

なので、初心者の方にはズボンをおすすめします。

こちらも、ノウハウがあればギリギリ乗り越えられる範囲です。

肩を出した衣装

肩回りは可動範囲がかなり広いです。
なので沼ります。
こちらは、デザインで避けることをおすすめします。

最も理想的な形なのは「アメリカンスリーブのタンクトップ」です。
肩の可動範囲を避けることができます。

こういうデザインのモノです。

普通のタンクトップでは、肩の可動範囲にメッシュが入ります。

結果、上手く調整しないと伸びるといった問題が起こります。

なので、肩回りには注意してください。

これは、仕組み上どうしようもないので可能な限り避けた方が良いです。
VRChatのキャラをよく見ると、多くの衣装で肩や脇回りが避けられてる事が分かります。

肩を出す、胴体と袖を分離する

理論は「肩を出した衣装」と同じです。
肩を出すための工夫の1つに「肩を出す」や「袖を分離する」方法があります。

このような肩の出し方が効果があります。

こちらのような、肩にかかってる場合はあまり効果はありません。

むしろ、肩の穴をあけるメッシュの作り方の問題が出てきます。
結果、何もしてないより、より難易度が上がります。

ただ、肩を出せばいいのではなく、理論を分かった上で肩を出すようにしてください。
博麗霊夢みたいな袖が、突き抜け的に正解です。

厚みのある布

薄い布より、厚みのある布の方が突き抜けにくいです。

理由は、服を重ねる際に、大きめに厚みを出せるからです。

薄い布だと、ギリギリになり突き抜けやすくなります。
なので、厚みのある布の方がおすすめです。

重ね着数を減らす

この衣装は、上着、スカート、シャツ、下着の4層重ねて失敗しました。

重ね着した分、素体の形から離れます。
結果、素体のシルエットから大きく離れた形になったことが分かります。

腰当たりが必要以上に太くなってる事が分かります。

シャツ+スカートの部分も重なりになるので注意してください。

重ね着はしない、もしくは薄い布+厚い布を合わせるのが理想。
多くて3層までに留める事をおすすめします。

重ね着するなら、厚めの布素材

あたりまえですが、重ね着しない方が突き抜け的には良いです。
が、デザインの自由度が無くなっていきます。

そこで、重ね着させるなら薄い布より厚い布にします。
薄い布を重ねると、服通しの突き抜け問題が起こります。

そして、量産型VRCアバターのデザインになっていく。

着崩しは突き抜け対策にならない

よく見るデザインです。
これは、突き抜け対策というよりも「世間の需要」でこの形になってます。

着崩すことで、確かに肩回りの問題は解決します。

が、肩を飛ばして「胴体~腕」部分という新しい問題が発生します。

このデザインの衣装はかなり難易度が高いです。
肩回り問題も、胴体~腕問題もどちらも高難易度。
初心者の方には、おすすめしません。

やるなら、参考資料になる衣装モデルを買ってから挑戦することをおすすめします。

スカートの突き抜け対策

スカートにするだけで難易度が上がります。
作りやすさなら、ズボンの方が圧倒的に上です。

が、デザイン的にこちらも避けては通れないモノなので解説します。

ロングスカートは避ける

ロングスカートは避けます。

理由は関節に重なってほしくないからです。

ロングスカートにすると膝関節に当たります。
結果、脚の動きに合わせた突き抜け対策が必要になり、非常に手間がかかります。

スカートは広げる

スカートは広げた方が突き抜けにくいです。
理由は、脚を大きく動かしてもメッシュに当たりにくくなくなるからです。

ただ、より丈を短くすれば何とかなる可能性はあります。
(この場合、スカートというよりショートパンツ的な扱いになります)

後ろを長くする

ロングテールと呼ばれるようなスカート。
脚は後ろに動かないので、突き抜けしにくくなります。

↓リアルでは、こんな感じのデザインです。

また、ロングテールにしなくても少し後ろを長く取ると突き抜け対策になります。

正面から見ると、このような形です。

以上が、衣装デザインによるスカートの突き抜け対策です。

その他の難易度を下げる方法

関節じゃないところに装飾を入れる

装飾を入れる場合、関節じゃないところに入れます。
関節じゃない部分は動かないので突き抜け問題が起こりにくいです。

靴ひも、紐があるモノを避ける

靴は突き抜けないですが… 
靴紐があるモノにすると、ものすごく難易度が上がります。
また、ポリゴン数も増えます。

初心者の方は、靴紐を避けたデザインを目指す事をおすすめします。

リアルでは、こんな感じのデザインです。

突き抜けの問題ではないので…
モデリングを頑張る気があれば作れます。

「頑張る”気”」があるかどうかの問題。

制約 VS 自由度の問題

これまで様々な突き抜け対策を紹介しました。
が、楽をする形を追求するとデザインのバリエーションが増えません。
裸が一番楽になります。

なので、何が難しいかを理解する。
そして、自分のレベルに合わせた衣装をデザインし挑戦するのがおすすめ。

できそうな事であれば、あえて問題になるデザインを使っても大丈夫です。
ただ、肩回りは可能な限り避けることをおすすめします。

まとめ

今回は、VRChat向け衣装の作りやすいデザインについて解説しました。

・作りやすさは、突き抜けや工数の問題で決まる
・関節がある部分に、なるべく布を重ねるのは避ける
・肩回りは沼なので、可能な限り避ける
・布面積が少ない衣装は作りやすい
・スカートよりは、ズボンの方が作りやすい
・重ね着は減らした方が作りやすい
・スカートを作る場合、丈が短い方が作りやすい
・靴紐がある靴は難しいので避ける

また、ほかにも3DCGについて解説してます。

ぜひ、こちらもご覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました