はじめに
今回から数回に分けて3DCGのキャラクターモデリングを解説します。
VRChatの自作アバターを想定して進めます。
第1回はアタリの作成です。
あたり作成の注意点
初心者が3Dモデルを制作する上での最初の注意点は以下の通りです。
・細部から作らない。全体感を作る。
・絵や3面図はできるだけ参考にしない。
・既存の3Dモデルを参考資料にする。
・キャラクターデザインはイメージが分かる必要最低限のものにする。
この4つを踏まえた上で具体的なラフの作り方について紹介します。
キャラクターデザインの用意
キャラクターデザインを用意した段階からのスタートになります。
キャラクターデザインの作成についてはこちらをご覧ください。
参考資料モデルの読み込み
こちらの記事を参考にBlenderにいくつかの参考モデルを読み込みます。
モデルは好きなモデルで大丈夫です。
原神やMMDやVRChatアバターなど好きな推しを入れてください。
モデルを読み込みましたらマテリアルを全て削除します。
これは色によって錯視で形を見誤らないようにするためです。
これで準備が完了です。
ガイドの描画
3Dビュー上にキャラクターのデザイン画をドラッグ&ドロップで読み込みます。
次に用意したモデルとデザイン画と体の比率が近いものを選びます。
頭と足の位置に立方体を作成して伸ばしガイド線を作ります。ケモミミで高さを取らない事に注意してください。
他のモデルを選択してSキーのスケールやGキーの移動を使い足と頭の高さを合わせます。
骨盤、胸、膝などの特徴的な個所にもガイドを入れます。
作ったガイド線をCtrl+C → Ctrl+Vで複製。
Rキー → Zキー → 90を入力して側面にもガイドを入れます。
これでガイド線の描画が完了です。
ガイドを元にラフ制作
Shift+Aで立方体作成。
Shift+Hで立方体のみを表示。
Tabキーで編集モードに入りCtrl+Rで縦向きにループカットを入れます。
Z→4キーでワイヤーフレーム表示。
Bキーで矩形選択。Xキーで頂点を削除し片側だけにします。
モデファイアープロパティよりモディファイアを追加。
ミラーモディファイアを追加し左右対称化。
Z→2キーでマテリアルプレビュー。
Hキーでガイドなどを表示。
立方体を選択し、Tabキーで編集モードに入ります。
クリッピングにチェックを入れます。
Sキーの拡大縮小、Gキーの移動などを使い体のラフを作成。
Aキーで体のラフを全選択。
Shift+Dで複製し位置などを調整し頭のラフを作成。
クリッピングのチェックを解除。
Shift+Aで立方体を作成し脚のラフを作成。
先端にかけて細くするのがポイントです。
Lキーで足のラフを選択。
Shift+Dキーで複製。Rキー → Yキー → -90で回転。
Sキーで拡大縮小、Gキーで移動し腕のラフを作成。
Shift+Aで立方体を作成しSキーで拡大縮小。Gキーで移動。
手と足のラフを作成。
クリッピングにチェックを入れ、Ctrl+Rキーでくびれ、膝、肘の位置にループカットを入れます。
あとは既存のモデルとガイド線を見ながら、くびれを作ったり胴体の厚みを調節します。
既存のモデルの間に並べると形の違和感を発見しやすいです。
トレースが利用規約的に許可されてるモデルの場合はモデルを重ねて比率を合わせるのも有効なアプローチ。特に初心者におすすめの方法。
(合わせないにしてもこのモデルよりは骨盤を少し細めたほうがイメージに近いといった調整が可能)
動かしたモデルはオプジェクトデータプロパティの位置を0,0,0にすることで戻せます。
(編集モードで動かした場合は不可)
細かな調節を加えればラフモデルが完成です。
最初に顔や手だけ作りこんでクォリティを上げても、全体の比率や立体感がバラバラだと良いモデルに仕上がりません。なので第1回ではこの人に見えるかどうかギリギリの粗い立体物を作りました。
形を置き換える順番
次回以降はラフの形を置き換えてモデルの清書していきます。
顔→手→胴体→足→腕→脚の順番に置き換えます。
こだわりたい形の所から先に形を作ります。
時間を空けて見た時の 違和感の確認や修正チャンスが多くなるようにこの順番で進めます。
絵や三面図は使わない
初心者が3Dモデルを作る場合、絵や写真を参考資料にしたり3面図を用意するのは個人的にはおすすめしてません。
絵や写真を参考資料にする場合は、カメラや見た視点の画角(遠近感の付き方)の問題が出てきます。
平行投影と透視図法の絵の違いが分かり描き分けれて変換できる方なら大丈夫です。
しかし、こちらは少数派だと思います。
3面図を用意する場合は、初心者が作ると3面図を作るとその3面図の作成で挫折したり、その作った3面図が正しく無いがゆえに混乱したりしてしまいます。
なので絵や三面図の使用はおすすめしません。
初めは3DCGを作るうえで絵は参考にせず直接3Dモデルを読み込み参考資料にして制作する方法をおすすめします。
絵や三面図はモデリング上級者で仕事として必要される場面がありますが今は作れなくて大丈夫です。
初心者の場合はそれよりもまず、1つ作品を完成させる事を目指してください。
これはトレースパクリにならないのか
まず人体を作った時点でクリーチャーみたいな形にしない限り嫌でも何かしらのパーツは合います。
今回は4つの参考資料のモデルを用意しましたが足と頭の高さでそろえれば、脚~股下の位置はほとんど一緒です。他は少し腕の高さが違うぐらい。
5~6頭身といったプロポーションのお約束的な部分になります。
1つのモデルを完璧にそのまま作りポリゴン組み方まで同じにすると問題になりますが、
5~6頭身という比率をトレースというのは難しいです。
そして複数のモデルを参照した場合必ず取捨選択を迫られる場面が出てきます。
プロポーションはこっちの方が好きやポリゴンの流れの派閥の違いなどでオリジナリティが出てきます。なので考えて作れば参考にしたの範囲で留まり100%のパクリにはならないはずです。
そして参考資料で紹介した下記の2つのモデルはこのライセンス問題をクリアしていてます。
・Ogaさんのリリュージュちゃん
・makehumanのモデル
なのでこの2つに限り必要になればパーツの使い回しや商業利用可能です。
どうしても気になる方はこの2つだけを参考にして制作してください。
まとめ
初心者が3Dモデルを作る場合は絵や3面図は参考にしない。
既存の3Dモデルを参考資料にする。
キャラクターデザインはイメージが分かる必要最低限のものにする。
という内容と具体的なラフの作り方について紹介しました。
次回は顔の輪郭作成を進めて行きます。
↓↓3Dキャラモデル制作02 – 顔の作成↓↓
↓↓おすすめ参考資料。
体以降のパーツ制作はほぼこの本が必須になります。
この本に描かれている、体の断面図が3DCG制作に物凄く役立ちます。
私の方でも情報発信予定ですが… 待てない方はこちらなどを見てください。
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