【音楽】Shadow Hills Class Aの使い方【コンプレッサー,レビュー】

音楽
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はじめに

今回はShadow Hills Class Aの使い方を解説します。
記事の最後に使ってみたレビューも載せてます。

コンプレッサーの基本概念がある事を前提にすすめます。
前提知識などはこちらをご覧ください。

【音楽】コンプレッサーの使い方【DAW,DTM,エフェクト】
コンプは基本的に音圧を上げるために使われます。音圧を上げると、音量の変化が失われるので注意。また「Tube、Opt、FET、VCA、デジタル」の5つの種類があります。この違いで音の色のつき方が微妙に違うので音の色付け用途としても使われます。

この記事では、コンプの基本概念は解説せず、
Shadow Hills Class A特有の例外的な要素
を中心に解説します

左右対称に同じ回路が2つある

Shadow Hills Class Aは左右対称に同じものが2つあります。

これは、PARAMETER LINKを有効化すると違いがよく分かります。

リンク機能で同期して操作。
リンク解除で左右バラバラの値に設定できます。

これは、L/RやM/Sでかかり方の違いを作る際に使用されます。


・L/Rの場合、少しずらすと自然になります。
・M/Sの場合、音の広がりに対してのコンプかかり具合を調整できます。
(モノラル化するので注意)

これが、左右対称に同じ回路が2つある理由です。

2つのコンプが混ざっている

Shadow Hills Class Aは、2つの「Threshold」があります。

これは、下記の2つのコンプが混ざってるからです。

・Optical = 光学系コンプ
・DISCRETE = VCA系コンプ

「Threshold」以外にもOutputGainなどがあります。
OPTとVCAは下図のように流れてます。

この記事では、「DISCRETE」を「VCA」と表記してます。

OPT関係の回路は下図の通り。

・Threshold = 閾値、Input Gainと同じ効果
・Gain = Output Gain
・Bypass = オンとオフの操作

※アタック、リリース、Ratioなどは固定。

VCA関係の回路は下図の通り。

・Threshold = 閾値、Input Gainと同じ効果
・Ratio = 圧縮のかかり具合の調整
・Attack = アタック、圧縮が始まるまでの時間
・Recover = リリース、圧縮が解除されるまでの時間
・Gain = Output Gain
・Bypass = オンとオフの操作

VCAの方は、コンプの基本の要素が全て揃ってます。

◆コンプの基本操作
1,Thresholdを上げて、圧縮する音量をきめる
2,Ratioを上げて、圧縮率を決める
3,AttackとReleaseで、圧縮のかかり方を調整
4,OutputGainを上げて、音圧を上げる

以上が、2つのコンプが混ざっていることの紹介です。

2つのメーターについて

真ん中に2つのメーターがあります。

これは、Meter Selectで見れるものを変えれます。

・Optcal = 光学式コンプのかかり具合確認
・Discrete = VCAコンプのかかり具合確認
・Output = 2つのコンプがかかった後の音量確認

左のメーターで見れるのは左のコンプの挙動です。

これの使い方の1つは下記。

・左右の値がリンクさせる
・左でOPTコンプのかかり具合を見る
・右でVCAコンプのかかり具合を見る

これが、基本的な設定です。

リンクを外して、左右の値を変えた場合。
同じ、OPTやVCAビューに切り替えると、右と左で違う挙動を確認できます。

Outputは圧縮した音が見れます。
が、このメーターよりPro-Lや普通のメーターで見た方が分かりやすい。

また、真ん中で全体の出力を見れます。
なので、Outputはあまり使わないです。

また、真ん中のつまみで左のパラメーターを左右に連動させれます。


・DUAL MONO = 右左で分かれたメーターの表示
・STEREO = 左のメーターが左右に表示される

OPT、VCAともに同じ挙動。

実際に動かすと下図のようになります。

あまり使わない機能なので、気にしなくて大丈夫です。

この左に2つのモニターが同期する機能。
何に使うのでしょうか…?

上手い使い方が思いつきませんでした。

以上が、2つのメーターの挙動です。

出力トランスについて

ここは、アナログ機材的なサウンドを付加する場所です。

・NICKEL = 最も歪みが少ない
・IRON = 少し歪む、低音が強くなる
・STEEL = 最も歪む、低音がより強くなる

違いは正直、ちゃんと聞いてもよくわからないレベルです。

右と左でずらしておくと、若干自然になると思います。
ちょっと温かみがある音を狙ってる場合はSTEELなどに設定します。

右左にあるSidechanについて

ここの「Side Chain」は低音域にコンプをかけないようにする処理です。
右下のHP-SC FILTERで、低音域のの範囲を調整できます。
(20~666Hz)

これはドラムのキックなどが、必要以上に潰れすぎる場合に有効です。

左下のTMT表示について

TMT = アナログ機材の個体差を表現する技術です。

TMT = Tolerance Modeling Technologyの略。

・Tolerance = 許容範囲、 許容差
・Modeling = ~を構築する
・Technology = 技術

Plugin Alliance系製品に搭載されてる機能です。(Brainworx社)
特許済みなので他では見ません。

Bx_colsole SSL 4000E /G Bx_2098 EQなどに搭載されてます。

Shadow Hills Class Aは20個のTMTがあります。
これも正直、違いはよくわからないレベルです。

◆雑な聞き比べ印象
・04はちょっとはっきりする
・07はちょっとざらつく
・11と12は広がり感が強まる
・14もざらつく
・20ざらつき+広がり感でマットな感じに
…ほか、謎。

個人的に11-12セットがクリアで好き。

つまみを上げると値を変更できます。
20を超えると1に戻ります。

STEREO MODEをオンにすると、L/RもしくはM/Sに同じTMTが割り当てられます。

RANDOM CHANNELをクリックすると、TMTがランダムで変わります。

慣れるまでは、「なんか違う」と感じたらRANDOMでガチャを回すようなイメージ。
慣れたら、20個のTMTの使い分けを目指してみてください。

私は、覚えていれば11-12を最初に設定。
そして、合わなければランダムを回す感じで使おうと思いました。

…多分、3日後には忘れてる。

その他の要素

右下の3つのつまみについて。

・Mono Maker = 一定の周波数以下をモノラルにする
 (キックやベースの広がり感を抑えれる)

・Stereo Width = ステレオの広がり感
・Parallel Mix = コンプをかける前の音を混ぜる(Dry/Wetと同じ)

左上の内容はこちら。

・電源ボタン = 全体のON/OFF切り替え(ByPassと同じ)
・%表示 = 画面の大きさ変更

上部の内容はこちら。

・戻る進む = Ctrl+Z、Ctrl+Yと同じ。
・A~D = 状態を保存、処理の比較用。
・コピー&ペースト = A~Dにパラメーターをコピーできる
・Reset = 状態の初期化

A~D、コピーペーストの挙動はこちら。

右上の内容はこちら。

・Key In = 本来の意味でのサイドチェーン
・Solo M/S = 中央の音/広がりの音のソロ表示
・右上の画面 = 画面下部のUIの表示切替(基本使わない)

右下の内容はこちら。

・鍵マーク = ライセンス認証
・?マーク = マニュアルなどの表示

?を押すとマニュアルを見たり、商品の紹介を見たり、アップデートの確認ができます。

以上が、Shadow Hills Class Aの使い方です。

レビュー

特殊な用語やパラメーターが多く非常にとっつきにくいコンプレッサー。
ただ、音は良かったです。

色々聞き比べた、個人的な感想は「音が強く、はっきり聞こえる系コンプ」

VCA系ではSSL Busコンプも有名。
だが、こちらは色付け感が強い。
SSLはキラキラした音になって、ちょっとTubeっぽいコンプ。

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同じVCA系でも下記のような使い分けができます。
・Shadow Hillsは音が強く、はっきり系
・SSLはキラキラ色付け系

この2つは、両方とも持っておいて損はしないです。

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もう1つ、ハッキリ系コンプとして、一部の界隈で高く評価されてるのが「DIAMOND Lift 3」

これは「Shadow Hills」と「DIAMOND Lift 3」を聞き比べて、どちらかを当てろと言われると当てれない自信があります。(個人的に、ほぼ同じ特性を感じました)

Acustica Audio

役割的には同じ、ハッキリ系と考えて良いです。
・DIAMOND Lift 3の方が分かりやすく、ユーザーフレンドリー。だが、できる事は少ない。
・Shadow Hillsの方は分かりにくい。ただ、設定できる項目が多い。

考え事は1つでも減らしたい方は「DIAMOND Lift 3」を使うのも手だと思います。
こだわりたい方は「Shadow Hills Class A」がおすすめ。

そんな感じのコンプでした。

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まとめ

今回はShadow Hills Class Aの使い方を紹介しました。

・OptとVCAの2つのコンプレッサーが混ざってる
・独自の用語の項目が多く分かりずらいが、基本は普通のコンプと同じ
・モニターを工夫すればOptとVCAのかかり具合をまとめて見れる
・その他、Ctrl+Fで必要な情報を振り返って確認

また、他にも音楽について解説してます。

【音楽】マスタリングのやり方【作曲,仕上げ】
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ぜひ、こちらもご覧ください。

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