はじめに
今回はVoltageの追加モジュールレビューを書きます。
私は、2年と3年のコレクションを買いました。
ここに入ってたモジュールを紹介+レビューしていきます。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/7fb6c82a3b07cbd4ac62fa3eb5427a03.jpg)
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/08f3d86c01d6d19817d9e8c0b970d87d.jpg)
Voltageの基本的な使い方、
1年セットを買わなかった理由はこちらをご覧ください。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/02/pd0ogJ64_400x400-150x150.jpg)
1年セットはDAWで何とかなるものが多い。
その気になればVSTプラグイン入れれば終わる。
2年セットが一番性能向上的におすすめ。
3年セットは「Moog 900」と「ARP2500」の再現セットという超ロマン枠。
実用的には無くても何とかなるが、買わざるを得ない(?)
Vectorモジュール
2周年記念にある、Cherry Audioが開発したアンビエント、PAD系に強いモジュールです。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/9746709746ab10354973415ee2e8d209.jpg)
Air WaveはPolyとMonoの差分なので…
実質3モジュール。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-04-25.jpg)
こういう音がすぐ作れます。
意味の分からないぐらいつよい。
air stepとwaveがオシレーター的な部分です。
Stepは時間経過に合わせて指定した音を鳴らします。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/add-01-17.jpg)
音は、Vectorのサンプル音源を使います。
文字の所をクリック → 設定。
音を覚えるのが大変ですが…使いこなすととても強力なサンプルパック。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/add-02-15.jpg)
waveは4音源鳴らせます。
ABCDの所が音源です。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/add-03-10.jpg)
こちらをクリック → 同様に設定。
waveの特徴は2軸でグラデーションに音が変わる事。
とても綺麗です。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/add-04-11.jpg)
Vectorは2軸でのMod操作などができるモジュール。
使いこなすと楽しい。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/gif_1.gif)
意味が分かって、意味が分からないぐらいつよい。
これ単体で買ってもいいかなと思うぐらいおすすめ。
FMモジュール
2周年記念にある、FMシンセの音を出すモジュールです。
正直に言うと…、私には価値がよくわからないかった一品。
高度なFMシンセの知識が無いと持て余す。
EGとFMステーションのPloy差分で売られてます。
実質2モジュールの販売。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-05-25.jpg)
FMシンセなら、YAMAHAの「DX7」を再現した「Dexed」が無料で出てます。
ここから始めるのがおすすめ。
VoltageのFMモジュールは、アルゴリズムが8パターン。
オペレーターが4つしかないです。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-01-30.jpg)
組み合わせて使えば増築できると思いますが…
私は、Dexedで今のところいいかなという所でおちつきました。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-02-28.jpg)
そして行きつく先はFM8…?
いや、そこまで使いこなせる人間が少数派。
(FM8はExpertの所で、アルゴリズムやオペレータ―を自由に増築できる)
…今の私では知識不足でプリセットを鳴らす事しかできなかった。
正直、価値は判断できない。
もうちょっと、FM周り勉強した後に触ってみます。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/02/pd0ogJ64_400x400-150x150.jpg)
Dexedの方が6オペレーター、
32アルゴリズム合って優秀。
Voltageに組み込みたいなら、
Pulg-in HostでVSTとして入れれば解決…?
Vintage Voice Bundle
セミモジュラーと呼ばれる、配線済みのシンセサイザーがあります。
それを”モジュール”として使えるようにしたものが売られてます。
2周年記念には「Vintage Voice Bundle」もセットで入ってます。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/42bbe0ab1b7731a827e85639dd4815df.jpg)
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/02/pd0ogJ64_400x400-150x150.jpg)
これをなんて呼べばいいのかはわかりません。
ここではセミモジュラーのモジュールなので、
「セミモジュラーモジュール」と呼びます。
Vintage Voice Bundleで売られてるセミモジュラーモジュールは下記の3つ。
・Polymodeモジュール (Polymoogの再現)
・SynthVoiceモジュール (CA 2600の再現)
・DCO-60モジュール (Juno-106の再現)
配膳済みなので、Mix Outから L/Rの出力に繋ぐだけで音が出ます。
(鍵盤などでMIDI入力をしてください)
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-03-26.jpg)
音も綺麗です。
とても手軽なので、初めて触る方や何も考えたくない方におすすめ。
個人的には、ビンテージシンセをモジュールとして使える事がつよいポイント。
Vintage Voiceモジュールと普通のOSCの違い
普通のオシレーター組み合わせてシンセを作ればいいじゃん?!
と思うかもしれません。
が… 何でしょう。
同じ波形を作っても、微妙な揺らぎ感や音の質感が違うのですよね。
※Fin Picthの値もちゃんと合わせてます。
多分裏でなにかやってるんだと思います。
Cherry Audioの芸の細かさと言いますか…
さすがビンテージシンセをほぼ専門に扱ってるだけあって音の良さが違う。
これがVintage Voiceモジュールと普通のOSCの違いです。
Polymodeモジュール
Polymoogを再現し一部を切り取ったモジュールです。
これは、Cherry Audioで、単体で動くシンセとしては売られてません。
代わりに、Xils Labから「PolyM」が単体で動く再現シンセとして出てます。
Polymodeモジュールは音が良い。
顔も良い(?)
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-06-25.jpg)
デメリットは横に長い事。
これ1つで、ほぼ1レーンは消費される。
和音のなり方が綺麗なので、機会があれば活用したい。
SynthVoiceモジュール
ARP 2600を再現し、一部を切り取ったモジュールです。
※モノフォニックなので注意。(和音は出せません)
とてもまっすぐできれいな音が出る。
そして、顔が良いシンセ(?)
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-07-28.jpg)
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元になったARP2600は、伝説の名機的なシンセです。
機動戦士ガンダムの効果音や、
スターウォーズのR2-D2の声に使われました。
音がつよい。SE系で重宝。
あとは、Filterが別パーツで入ってます。
これも良き。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-10-20.jpg)
また、Cherry Audioから「CA 2600」として、
単体のシンセサイザーが販売されてます。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/226a58c1de417918990912a4e7116a7d.jpg)
2023年2月にPlugin Boutiqueでなにか買った人へのプレゼントとして配布されてました。
単体で売ってるだけあって、音が良いです。
「SynthVoiceモジュール」になってもこの良さは受け継いでます。
これきっかけで、モジュラーシンセとCherry Audioに興味を持ち、今に至りました。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/02/pd0ogJ64_400x400-150x150.jpg)
…まともな使い方してなくてごめん。
単音しか出ませんが、まっすぐ強い音が出るのでおすすめ。
DCO-60モジュール
Juno-106を再現し、一部を切り取ったモジュールです。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-09-21.jpg)
これは… LとRをちゃんと刺すと化けます。
左右で音の揺らぎができるのがポイント。
また、Chorus と Filter部分が別パーツで入ってます。
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ちなみに、Juno-106の再現シンセは、
Softubeから「Model 84 Polyphonic Synthesizer」が単体で動く再現シンセとして出てます。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/8c02ca9f4102419d1374b57acc2ccbf1.png)
綺麗ですが、ちょっと扱いにくいかな…という印象。
使う機会があれば使います。
Vintage Voice Bundleの面白さ
これらのモジュールの面白さは”組み合わせれる事”です。
このように配線すれば、APR2600のフィルター部分をJuno-106に差し替えることができます。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-12-20.jpg)
これで、音が変わります。
うん。沼。
これは沼すぎる。
以上が、2周年記念セットの中身+レビューです。
ここから、さらなる沼に叩き落す3周年セットを見ていきます。
3周年記念セットを理解するためのシンセサイザー史
これは… 3周年記念セットは人をさらなる沼に突き落とすためのセットです。
・Moog 900
・ARP 2500
・OBERHEIM SEM
この3つの再現シンセが入ってます。
…簡単な説明があった方が分かると思うので説明します。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/08f3d86c01d6d19817d9e8c0b970d87d.jpg)
シンセ2台巨頭「ARP」と「Moog」
シンセの歴史を作った2台巨頭が「ARP」と「Moog」社です。
この2社が初期の頃に出したモジュラーシンセが…
・ARP 2500
・Moog 900
この2つは、システムが素晴らしいですが…
巨大で高額な事がデメリットでした。 (「タンス」と呼ばれる大きさ)
そして、持ち運びやすさや低価格化などを目指し、セミモジュラーシンセが登場。
・APR 2600
・Mini Moog …など。
そして、普通のモジュラーの無いシンセが生まれていきました。
話は戻り、3周年記念に入ってるのが…
「ARP 2500」と「Moog 900」の再現モジュール。
つまり… やってる処理は同じ。
見た目やデザインや機能、そして“音”が違うだけ。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-14-20.jpg)
そう、VM900やVM2500を使えば、ビンテージの音をモジュラーシンセで出せる。
これが3周年記念セットの概要であり強み。
そして… この2つを混ぜる事もできる。
例えるなら「悟空」と「ベジータ」フュージョンした状態。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-18-20.jpg)
多くの人に必要は無い機能。
ただ、ロマンや歴史を感じながら、オシレーターからこだわりたい人にはとてもおすすめ。
ちなみに… 和音は出ないので注意。
和音の歴史
「ARP 2500」と「Moog 900」の時代は単音(モノフォニック)しか出せませんでした。
そこで、和音が出せる画期的シンセとして登場したのがProphet-5。
YMOや坂本龍一さんととてもゆかりの深いProhentシリーズ。
Cherry Audioには無いですが、u-heからRe-pro5という再現シンセが出てます。
私の最推しシンセ。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/9a859c8465bf8eaaceb66a6fae66d1e3.jpg)
日本からは「jupiterシリーズ」が出ました。
Cherry AudioでMercury-6という名前で、Jupiter-6のという再現シンセが出てます。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/7c8ceddad98018a1a53b245eda3eac32.jpg)
先ほど2周年で紹介した「Polymoog」や「Juno-106」の再現モジュールは、
ポリ登場以降に出てきたものです。
Juno-106はjupiterと同じ会社(Roland)のシンセなので近い音が出ます。
3周年記念セットに入ってるのは、それより歴史が古いので和音対応してません。
後は… 別の流れでOBERHEIM SEMを再現したモジュールが入ってます。
これは、レビューの所で紹介します。
それでは、3周年記念の中身を見ていきます。
VM900モジュール
3年記念にあるMoog 900の再現セットです。
オシレーターモジュールだけで4種類あるセット。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-13-23.jpg)
基本的なシンセ回路を再現するなら下図。
右側はスイッチ機構、Pitch回路は見づらいのでBus化しました。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-15-21.jpg)
通常の回路と音比較。
VM900の方が揺らぎのある音がしますね。
こんな感じのモジュールです。
VM2500モジュール
3年記念セットにあるARP2500の再現セットです。
ARP 2500 = ビンテージのモジュラーシンセサイザー。
Moogより後に出て音が安定してると言われてるシンセ。
既存のパーツやMV900と比べ、多機能。
デュアル系の処理がつよいモジュールが多いです。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-16-17.jpg)
基本的なシンセ回路を再現するなら下図。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-17-18.jpg)
通常モジュール、VM900、VM2500での比較はこちら。
もうこのあたりは、好みとしか言えません。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/02/pd0ogJ64_400x400-150x150.jpg)
個人的な使い分けは…
ビンテージ感出すにはMV900。
複雑で高度な操作をしたい場合はVM2500。
…結局はロマン枠。
無くても何とかなると言えば、何とかなる。
Synthesizer Expander Module
「OBERHEIM SEM」の再現モジュールが付いてきます。
これは、Tom Oberheimさんが開発したシンセ。
ARPやMoogとは別の流れで登場したものです。
Synthesizer Expander Moduleにはモノとポリの2つのモジュールが入ってます。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-19-20.jpg)
Outをつなぐだけで動きます。
つまり、セミモジュラーのモジュールです。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-20-16.jpg)
音的にはこんな感じです。
良い音ですが… これ1つだけでは、
1つの完結した小さなシンセサイザーです。
名機:Oberheim 8 Voiceの登場
先ほどの、SEMモジュール。これを8個搭載した「Oberheim 8 Voice」が登場しました。
これが、音の深さや広がり感が特徴的で、名機と呼ばれたシンセになりました。
通称「モンスターシンセ」。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/02/pd0ogJ64_400x400-150x150.jpg)
と言いつつ、知らなかった子なので…。
この先、浅い解説しかできないです、ごめんね。
Voltageの強みはPolyモジュール…?
Polyモジュールを使って表現すると、たぶんこうです。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-21-19.jpg)
poly8個刺しすると、こんな感じの音が出ます。
これで、4和音鳴らすとCPU使用率30~40%上がります。
重すぎぃ!!!
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-22-20.jpg)
8個使うのは想定されてないようです。
公式プリセットでも最大4個でした。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/03/image-23-14.jpg)
流石におかしいと思って、後で調べました。
OB-Eという、別会社が出した再現シンセを入れて実験。
polyでななくMonoでした。
Mono8回路をMidiの割り当て、poly化したのが画期的だった子のようです。
そして… 今ではPolyシンセとしてはあまり使われず(?)
モノで8回路鳴らすと極太音が出てすごい!という感じ子(多分)
歴史好きや、ロマン枠でなければ、買わなくてもいいかなというモジュール。
ロマンで買うなら、モジュラーじゃない方の8Voiceシンセを買う事をおすすめします。
おすすめは、元になったSEM作者のTom Oberheimさんの協力を得て作られた再現シンセ。
GForce Softwareの「OBERHEIM OB-E」。
Cherry Audioからは「Eight Voice」が売られてます。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/7c8ceddad98018a1a53b245eda3eac32.jpg)
あとは… ポリ対応させて、SEM単体で売られてる物もあります。
Arturiaの「SEM V」
Brainworxの「bx_oberhausen」…など。
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/a169686124d03d5c3edbd78f2e82d493.jpg)
SEMの音が欲しいだけなら、このあたりを使うのがおすすめ。
たぶん、もっと軽い処理で良い音が出る…はず。
Cherry AudioのSEMモジュールの良さは、polyを8個積んで
CPUの40~50%が焼ける音が聞けるぐらい…?
![](https://signyamo.blog/wp-content/uploads/2023/02/pd0ogJ64_400x400-150x150.jpg)
買い切りのプリセットがあるのも魅力。
8回路の操作は大変そうなので、
プリセットに甘えたい。
8Voice系は、重い処理が予想されます。
買う方は、トライアルで動作確認してくださいね。
まとめ
今回は、Voltageの追加モジュール紹介+レビューをしました。
・Cherry Audioは2年3年記念コレクションを出してる。
・性能アップとしては2年コレクションが一番いい
・3年コレクションはロマン枠
・Vectorモジュールはアンビエント系に強い
・ビンテージシンセ系モジュールを使うと、微妙に音の出が変わる
また、他にも音楽関係の情報をまとめてます。
ぜひ、こちらもご覧ください。
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