はじめに
今回はミニマリストの考え方についてまとめます。
ミニマリストの歴史
アメリカで「アフルエンザ」という言葉が登場しました。
これは下記の2つを掛け合わせた造語です。
・アンフルエンス(富)
・インフルエンザ(病としての意味)
財政的な豊かさから生じる病的な精神状態を指す言葉として登場し、流行しました。
日本語では「金満病」や「金持ち病」と翻訳されてます。
金満病の症状
財政的な豊かさから生じる病的な精神状態の事例は下記
・現状に満足できない
・より多くの富、お金、物質を求めようとする
・そのための病的な消費行動を行う(買い物依存症など)
そして「持つ事の豊かさ」が疑問視されるようになりました。
「モノを買う事」で人は幸せになりにくい
別の路線ですが…
人がどのようにお金を使えば幸福にになれるかという研究が進みました。
◆人が幸せになれるお金の使い方
・誰かの為に使う
・経験に使う
・時間をお金で買う
◆モノを買っても幸せになれない
・使い方が分からない問題
・故障
・傷や汚れが入る
・新作発表による型落ち
・経年劣化
・同じものやそれ以上の優れたものを持ってる人との比較
・人間側が物を使用できる時間の限界
→ 結果、モノにお金を使った場合満足感は時間が経つにつれ減少する。
→ モノは基本、"買った瞬間"以外人を幸せにしない。
このような事が分かり、
モノを買って所有しても幸せになれないという考え方が出てきました。
詳細はこちらでまとめてます。
なぜ、モノを買う=幸せと錯覚するのか
それは、企業のマーケティングの影響です。
・企業はマーケティングとして心理学者と手を組み消費と幸せを結び付けた
・その結果、モノを買うと幸せ、ショッピングは娯楽という価値観が生まれた
・広告はあなたに足りないものを指摘し不足感を煽る
・セール売りで正常な判断力を鈍らせる
・ポイントカードで誤ったお得感を植え付ける
・無料お試しは返報性の法則を刺激して買わせる
…ほかにも、ギフト文化、見栄、SNS映えなど
その結果、私たちは消費=幸せになれる勘違いする。
そして、消費させられるようになってしまった。
詳細はこちらでまとめました。
これがモノを買う=幸せと錯覚する原因と考えられます。
モノを所有するデメリット
モノは時間とお金を奪っていき、生きる上でストレスになることが多いです。
モノは下記のようなデメリットをもたらします。
・使い方が分からない問題
・故障
・傷や汚れが入る
・新作発表による型落ち
・経年劣化
・同じものやそれ以上の優れたものを持ってる人との比較
・人間側が物を使用できる時間の限界
…など
さらに、要らないものがある増えると下記のデメリットも増えます。
・掃除がしにくくなる
・掃除が手間なのでしなくなる
・物を探す行為に時間が奪われる
・同じものを2つ買ってお金を失うことになる
・部屋が汚いと人は強いストレスに感じる(割れ窓理論)
…など
これらのデメリットが分かり、モノは買わなくても所有しているだけでストレスを与える。
それが、金満病と考えられるようになりました。
ちなみに…
マキシマリストはモノが多くても、
大切にして幸福感を感じているのでOKです。
ミニマリストの登場
モノを買っても幸せになれない。
買って幸せと思うのはマーケティングに踊らされているだけ。
モノは所有してると多数のデメリットがある
ではどうすれば…?
この回答が不要なモノを「捨てる」こと。
そして、捨てるを極めた者として「ミニマリスト」が登場しました。
ミニマリストとは
所説有りますが…必要なモノ以外持たない暮らしを選んだ人。
中には、極限にまで物を減らし
ミニマリストの現在
良くも悪くも、極端な暮らし、その見た目のインパクトで注目されてました。
そして、断捨離の言葉を買えた書籍も多くの書籍が出ました。
これが、いろんなところで注目されて今に至ります。
ミニマリストと禅
ミニマリストに近い考え方として禅の思考が紹介される事があります。
共通点が多く、時にミニマリストの説明に禅語が使われます。
※禅語=禅を行う修行者が”悟り”に至りやすいよう短い話で禅の教えを説いたもの。
◆禅語の例
・放下著 = すべてを捨てよという意味。
・一掃除二信心 = 禅では”掃除”が何よりも重きを置かれていた。
・下載清風 = 心に溜め込んだ荷物を下ろす。すると心が軽やかになる。
・知足 = 足りていることを知る事
確かに、一見ミニマリストの説明に見えます。
が、微妙に違うので注意。
ミニマリストと禅の「捨て」の意味の違い
◆勘違いミニマリストの「捨て」
・ただひたすら、限界まで捨てる。
・そして、その暮らしを人にSNSで見せる。
・ゴールが見栄の為の捨て
◆ミニマリストの「捨て」
・大切なモノを残す
・大切なモノに時間やお金を使うために他を捨てる
・ゴールは人生の幸福度を上げる為の捨て
◆禅の「捨て」
・心を乱さないために掃除は大事
・なので、部屋を綺麗に保とう
・今やってる事に全意識を集中し心を乱さないようにしよう
・心をを乱す、雑念、思想、執着を捨てよ
・足る知り、今自分がおなう事に全身全霊で取り組もう
・今どきの言い方をするならフロー状態に入ろう
・ゴールはフロー状態の「捨て」
・捨ての意味は”モノ”より思想的な要素が大きい
個人的な考えですが、
禅は”物質”を捨てよという意味では無いと思います。
どんなに物質を捨てても、心の中の雑念や執着があれば、
それば禅的な「捨てよ」は達成してないと考えられます。
別の記事で、上手い表現を見つけたので引用すると…
ただやみくもに物を捨てて減らしても、心の健康度を向上させることはなかなかできません。
現代人の断捨離と禅
禅の修行生活においては、「最低限の物しか所有しない」ということ以上に、「目の前のことに全身全霊で取り組む」ということを徹底的に自分の中に落とし込んでゆきます。
坐禅だけが修行ではないのです。
別の言い方をするなら全ての「マインドフルネス」化の実践。
マインドフルネス=”今ここ”に意識を集中した生き方。
そのための「雑念、執着を捨てる」という意味での捨てよ。
禅やマインドフルネスの詳細はこちらをご覧ください。
ミニマリストでも幸せになれない
ミニマリストが注目され、実践する人が出てきました。
そして分かった事は「ミニマリストも幸せになれない」という事。
本やネットの注目で勘違いミニマリストのような人が登場し始めました。
◆勘違いミニマリストの例
・SNSに家の写真を上げる為に捨てる
・何でもいいからとにかく捨てる
・精神的苦痛をモノにぶつけるために捨てる
…など。
そして、下記のような症状が出ました。
・モノを捨てすぎて生きづらくなった
・モノの少なさ優先で、余計な生活費がかかるようになった
・自分の好きなモノまで捨てて後悔している
・道具系のモノを捨てた結果、自分の可能性まで捨ててしまった
…など、ミニマリストでは幸せになれないという事も分かってきました。
多様化、シンプリストなどの登場
ミニマリストでも幸せになれない。
そこで、シンプリストという考え方が出てきました。
◆シンプリストの考え方
・基本的に捨てる。
・要らないものを捨てる
・自分にとって好きなモノ、大切なものを残す。
シンプリスト以外にも様々な呼び方が提唱されてます。
“ときめく”モノを残すときめき収納術など。
私はこれ以降「少ない生き方」としてまとめて表記します。
少ない生き方を実践したい方へ
最後に、少ない生き方の実践ための考え方をまとめます。
収納系の本や本要約系の動画を見れば出る事なので軽く紹介して終わります。
不当なモノは捨てる
多くの人の場合、基本は「捨てる」が正解になります。
企業のマーケティング戦略で不要なものを買わされてます。
また、使わなくなったものは捨てずに押し入れにしまわれてる事が多いです。
そして、モノは「買う」より「捨てる」方が多くの労力を使う。
その結果、不要なモノが家にある状態になってる方が多いです。
なので、まずは”不要なモノ”は捨てるが正解になります。
必要なモノは捨てない
捨てる時に意識するのは「何を残すか」です。
ただ捨てるだけでは不幸なミニマリストになります。
自分にとって大切なモノ、必要なモノは残して大丈夫です。
そして、残したモノを大切に使っていきます。
モノの代謝を意識する
残したものは大切に使う。
そんな中、故障して買い替える機会が出てきます。
この場合は感謝して古いモノを捨てます。
そして、新しいモノを入れます。(1in 1out方式)
値段よりモノの良さ買う
何かを買う場合、安いからの買うを辞めます。
大切に使いたい良い物は高くても買います。
そして、それを長く使っていくのが理想。
マキシマリストと金満病の違い
モノを多く持つ人という意味で、マキシマリストがあります。
モノやお金を多く持つ事で心を病んだ人が金満病。
この2人の違いは下記。
・マキシマリスト=たくさんの好きなモノ、大切なモノに囲まれて暮らす生き方。
・金満病の人=好き嫌いはさて置き、とにかく物が多く、精神に悪影響をきたしている
好きなモノに囲まれ大切にしているなら、マキシマリストでも大丈夫と考えられます。
結局、モノの多さ、自分に対して”適した量”であればOK。
ミニマリスト肯定派でしたが…
・家が工房化してる人
・コレクター
・禅寺の仏像周りの過剰装飾…など
説明ができなくて困ってました。
この考え方で、私は腑に落ちました。
大切なのは、今の自分に不要なモノを残さない事。
必要であればモノは多くても良い。
極限までモノを減らす事は、幸せに生きる上で重要ではないようです。
捨て活の注意点
捨て活=物を捨てる活動。
捨てる時に、おそらく”快”を感じる脳内物質が出ます。(おそらくドーパミン)
そして、捨てる=快楽に結びつく。
なので、快楽に任せて必要以上に捨てすぎない事に注意。
私は病んでる時、ひたすらモノを捨てまくった時期がありました。
捨てると心が安定する。
だから、不安やストレスを感じると何でもいいから捨てる。
のような断捨離依存症になった時期がありました。
あと、捨てた所で部屋が綺麗になるとは限らない。
整理、整頓、清掃は別物です。
・整理 = 不要なものを処分する
・整頓 = 必要なものを使いやすい場所に置く
・清掃 = 掃き掃除や拭き掃除で綺麗にする
断捨離や捨て活は「整理」を強めに行っただけです。
整頓、清掃が無ければ部屋は散らかります。
この、3つの実践についてはこちらで解説。
まとめ
今回は、ミニマリストの考え方について紹介しました。
・アメリカで「アフルエンザ」という言葉が登場
・アフルエンザ=お金や物を”持った”豊かさから生じる病的な精神状態
・人々はモノを買ったり所有しても幸せになれないと気づき始めた
・幸せになるために物を減らした生き方を目指したミニマリストが登場
・ミニマリスト=必要なもの以外すべて捨てる
・ただ、ミニマリストも捨てすぎて幸せになれない人が出た
・最近は必要なモノ+自分にとって価値がある物を残すシンプリストが提唱されている
また、他にも生き方について発信しています。
ぜひ、こちらもご覧ください。
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