はじめに
今回は、作品制作に役立つ”モノ”全般の構造について紹介します。
左右対称
人を含めた多くのモノ、特に動物などに共通する形です。
3DCGだとミラーツール。
ペイントソフトだと対称ブラシなどで制作できます。
放射相称
ヒトデや花などに共通する形です。
対象軸の数に合わせて「n放射総称」と呼ばれます。
フラクタル
ある図形の一部が図形全体と似ている形です。
「形の繰り返し」で出来ているモノと思ってください。
分かりやすいモノは木の枝です。
シダの葉っぱ、そのほか少しマニアックですが、ウミシダの腕部分などで確認できます。
流線形
空気や水の抵抗を最小限にした形です。
主に、水中の生き物(魚)や新幹線など素早く動く必要があるモノの形に影響を与えます
飛行機の基本、胴体部分は流線型。
翼は浮くために付いてます。(揚力の確保)
水の密度は空気の密度の800倍。
→ 水中は陸上の「12~15倍」の抵抗を受けています。
なので、水中の方が抵抗を減らすためシビアな流線形をしています。
なので、図鑑のような魚を海の中で泳がせるのは、多くの場合で間違えなので注意。
このような図鑑の魚は、種の特定がしやすいようにヒレなどが開いた状態になってます。
以上が、流線型の解説です。
螺旋
これも、多くの生き物で見られる構造です。
分かりやすいモノはカタツムリの殻。
他にもバラの花びらの生え方(花序)にも螺旋が隠れてます。
「ひまわり」や「松ぼっくりは2つの螺旋が重なった形で生えてます。
以上が、螺旋の形です。
フェボナッチ数列と黄金比
1+1=2で、その答えと1つ前の数字を足したものが「フェボナッチ数列」です。
(図を見た方が早いと思います)
そして、フェボナッチ数列で使った数で割り算をすると 「1.618…」のような数字になります。
この数字を使った比率「1:1.618」が黄金比です。
黄金螺旋はそんなに役立たないので注意
世の中には、この黄金比を使った螺旋が出回ってます。
…が、オウムガイやアンモナイトはこの形では無いので注意。
螺旋構造という意味では正しいですが、黄金螺旋と比べると形がズレます。
トポロジー最適化
これはCADなどで使われ始めた設計の技法です。
このような構造物から、必要なところだけを抜き出して「軽量化」+「材料削減」を行った形です。
このような複雑な形の設計は、3Dプリンターの登場で可能になりました。
そして、このトポロジー最適化の形は、多くの動物の「骨」に使われていると言われてます。
以上が、トポロジー最適化の解説です。
トラス構造(三角形)
多くの人工物に三角形の形が使われてます。
三角形を入れると形の強度が上がります。
このような形は「構造力学」で学べます。
私は構造力学はそこまで詳しく無いので…
これぐらいしか語れることが無いです。
ただ、実際の人工物はこのトラス構造を隠してるモノが多いです。
なので、大きいモノや人の目に付きにくいモノでよく見られます。(東京タワーなど)
以上がトラス構造の解説です。
橋の構造
橋は構造力学的に “沼” です。
色んな形の考え方があります。
詳しくは、こちらなどをご覧ください。
自然のランダムさ
自然物の場合、左右対称や放射相称の形でも実際に “完璧に一致” する形はほぼありません。
こちらの画像の花びらのように、土台となる構造がありながら細部はすべて違います。
これはハイビスカスという赤い花の写真です。
基本は5放射相称ですが、花びらの先の割れ方が全ての形で違います。
このように、自然物には「ランダムさ」という要素が付加されるので注意。
まとめ
今回はクリエイター向けに、作品制作に役立つ”モノ”全般の構造について紹介しました。
・モノには左右対称は放射相称といった形に共通する構造がある
・このような形の構造を意識して観察や作品制作すると精度が上がる
・自然物はその構造の上に “ランダムさ” が付加される
・黄金螺旋はそんなに使わないので注意
また、他にもクリエイター向けの情報を発信してます。
ぜひ、こちらもご覧ください。
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