はじめに
ガチの良書だと思ったので本の個別レビューを書きます。
この本の凄い所は下記の3つです。
・幸福を脳内物質の放出という考え方でアプロ―チしている
・その幸福物質を求めるべき順番が分かる
・ドーパミンの問題に対する対処法が分かる
幸福を脳内物質としてアプロ―チ
この本では『幸福』=脳内で幸福物質が出た状態と定義してます。
そして、様々なその脳内物質を元にして、元に幸福になる方法を書いてます。
◆主要な脳内物質
・セロトニン → 健康
・オキシトシン → つながり
・ドーパミン → 報酬の獲得
・エンドルフィン → 極限状態でのハイ状態
・アドレナリン、ノルアドレナリン → スリリングな恐怖
・コルチゾール → ストレス、不安、緊張(これは幸福度を下げる)
これの何が凄いかというと人の無意識を含めた行動の本質が分かる事です。
・なぜ晴れた日に朝日を浴びると気持ちいいのか → セロトニンの放出
・なぜ人とつながろうとするのか → オキシトシンの放出
・なぜペットを飼いネコの下僕になるのか → オキシトシンの放出(ペットとのつながり)
・なぜVRChatでアバターを撫で合うのか → オキシトシンの放出
・なぜ人は勉強会などに行き人と交流するか → ドーパミン(自己成長が報酬)+オキシトシンの放出
・なぜお金を得ると喜ぶのか → ドーパミンの放出
・なぜゲームで数字が増えると嬉しいのか → ドーパミンの放出
・なぜスマホ依存,SNS依存になったしまうのか → ドーパミンの報酬(情報が報酬になる)
・なぜ登山やランニングなどの極限状態に人は行きたがるのか → エンドルフィンの放出
・なぜホラー映画やサメ映画が流行るのか → アドレナリン,ノルアドレナリンの放出
・なぜ格闘技を見るか → アドレナリン,ノルアドレナリンの放出
・なぜApexをするのか → ドーパミン+アドレナリン,ノルアドレナリンの放出
・なぜ悪口が悪くてその上辞められない人が居るのか → コルチゾール+ドーパミンの放出
これで何が分かるかというと、この世のあらゆる仕組みが分かります。
(この部分は本書では短くしか語られてないのですが…)
この脳内物質を意識することで人の行動の裏側にあるもの分かります。
幸福物質を求めるべき順番
求めるべき順番は健康 → つながり → 報酬です。
日本人の9割の人は間違ってます。
・仕事の為に家族や健康を犠牲にする。
・睡眠時間を犠牲にしてお金という成果を出すために頑張る。
・日本人は勤勉です。それゆえに幸福度が著しく低く良く心や体を壊す。
日本は圧倒的にブラック企業が蔓延しています。
過労死という言葉は海外翻訳すると『Karoshi』つまり日本生まれで世界共通となった言葉です。
この幸福の順番を知り、それぞれを正しい順番で積み上げることで、
不幸な金持ち、成功者、働きすぎて心や体を壊す人になるのを回避できます。
ドーパミンの問題に対する対処法が分かる
ドーパミンへの対処法は他の幸福物質を混ぜ合わせる事です。
ドーパミンだけだと幸福感はすぐなくなり”もっと”を要求してきます。
そこでセロトニンやオキシトシンなどを組み合わせます。
・人とご飯を食べる。(人と=オキシトシン、食べる=ドーパミン)
・お金を得たら感謝する。(お金を得る=ドーパミン、感謝=オキシトシン)
など。
これらの達成と共にオキシトシンやセロトニンを出す。
できるだけオキシトシンの割合を増やすとドーパミンの暴走が抑制できます。
(セロトニンやオキシトシンはドーパミン抑制の効果がある。)
特に、最強なのが“感謝”です。
全てに感謝は対応してオキシトシンの効果を付随できます。
感謝については効果が大きいのでこちらでまとめました。
ドーパミンの苦しみからの解放
ドーパミンの扱いには私もかなり苦しめられました。
(意味もなく見てしまうスマホ、SNSの通知、フォロワー数、辞められなくなったゲーム、過食、RoboFolio(預金残高のようなもの)の過剰確認)
今はSNSやソシャゲなど依存ビジネスが増えました。
そしてネット検索で出てくるのはドーパミン娯楽を許すな、消し去れ!ぐらいの勢いで書かれてる物が多いです。
私も一時期、これらを元にドーパミン娯楽を消そうとしてました。
が、完全には消すことはできませんでした。
ドーパミンは悪、ドーパミン=欲求は悪とととらえて全ての欲求を消そうとした結果死にかけました。(笑
(食欲を消そうとして10キロ痩せやり、スマホを消したり、連絡先を消したり、生存欲まで消そうとしてしまい色々迷惑かけました。)
ここまで極端でないかもしれませんが…ドーパミンとの向き合い方について苦しんでる方はぜひこの書を読んでほしいと思います。
3つの幸福注意事項
人間の行動は1つの行動で複数の脳内物質が出てます。
笑顔を作るだけでも 『セロトニン,オキシトシン,ノルアドレナリン,エンドルフィン』の4種類が出ると書かれてます。
またドーパミンは達成の報酬とされてますが、パーキンソン病の原因は中脳ドーパミンの減少でドーパミン=運動という主張もあります。
なので、この本ではセロトニン“的”、オキシトシン“的”、ドーパミン“的”という言葉で書かれ、それぞれの脳内物質のイメージとして分類されてます。
本のレビュー
本の内容はとても良い物でした。
幸福について迷ったらまずこの1冊をおすすめします。
文章も読みやすく、これまでの樺沢先生のノウハウが凝縮されてる感じでした。
内容は繰り返しの部分が多いので、AudibleよりはKindolなどの電子書籍のような文字の方が読みやすいと思います。
あと、なかなかボリュームがある本なので少し覚悟してから読み進めてください。
まとめ
ほかにも幸福についてまとめた記事を書いてます。
ぜひこちらもご覧ください。
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